芸能

佐藤愛子氏 舛添氏に都知事をやらせてあげたかった

新著『九十歳。何がめでたい』が大反響の作家の佐藤愛子さん

 舛添要一前都知事の「政治とカネ」をめぐる問題から始まった都政の混乱は、小池百合子新都知事の誕生で一応の決着は付いた。しかし――最新エッセイ集『九十歳。何がめでたい』がベストセラーとなっている作家・佐藤愛子さんは言いたいことがあるという。その理由とは? 「言いたいことが言えないくらいなら、死んだ方がマシ」という佐藤さんのスペシャルインタビューをお届けします!  (取材・文/佐久間文子)


 * * *

 佐藤さんが出会ってきた“怪しい人たち”はどこか人間的で、今どきのオレオレ詐欺とはひと味違うようだ。

「いや、オレオレ詐欺だって面白いですよ。あれは一応、お稽古するんじゃないですか? 弁護士とかいくつか役割があって、いろんな声を出したり、リハーサルしたりするんじゃない? 何事も努力なしに成功はないんで、あれはあれで努力の結晶です。そう考えると面白いですよ」(佐藤さん 以下「」は同)

 うっかり佐藤家にオレオレ詐欺の電話をかけたら、えらいことになりそうである。新聞2紙を購読し、テレビのニュースもチェックする佐藤さん。最近、気になるニュースはありましたか。

「舛添さん(要一前東京都知事)の問題の時に、日本中がしゃかりきになって叩いたでしょう?  『いい加減にしろ』って思いましたね。私はインターネットを見ないけど、匿名で言いたいことを言うようになって、日本人は他人をボロクソに言う快感を覚えたんじゃないですか。私が育った時代は、よく事情も知らないであれこれ言うものではないという慎みがありましたよ。舛添騒ぎの時は、日本人はどうなっちゃったんだと思いました。

 舛添さんが、無報酬でいいから引き続きやらせてほしいと涙を流して頼んだじゃありませんか。やらせてあげたかったですよ。どんな人でも名誉回復の場を与えるのが武士の情けというものです。そう言うと、うちの娘は『なぜそこで武士が出てくるんだ』って言うんだけど」

 今度の都知事選の騒ぎや、税金の無駄遣いを見ると、たしかに続投で良かった気もする。少数意見がかき消されてしまう、「辞めろ辞めろ」の大合唱だった。

「なんだかギスギスした世の中です。うっかりするとどんな目に遭うかわからないから、みんなことなかれ主義になっていますね」

※女性セブン2016年8月25日号

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン