物件を借りてくれる人がいなければ、家賃収入が途絶えるだけでなく、維持費や固定資産税を取られ続けるので家主や地主は干上がってしまう。どうすれば入居者を安定的に増やせるかは、大家が最も知りたい情報だ。
そうしたニーズの増加に伴い、季刊誌でスタートした『家主と地主』は隔月誌を経て、昨年9月号からは月刊誌になった。
「実売率が悪いと月刊化できないのですが、昨年は3号連続で伸びたので、勢いに乗って月刊化できました」(永井氏)
好調の理由は時代背景だけではない。8月号の編集長コラム「一刀両断」はこう書く。
〈「家主はつらいよ」というのは、本誌内での連載コラムのタイトルだが、そうぼやきたくなるくらい、世間の人が思っているほど楽ではない。だが、そんなことを他人に話せば、「資産を持っているくせに」と思われてしまう。それゆえに家主業の大変さは表に出ることがなかった。実に家主業は孤独である〉
その孤独を分かち合うように、家主たちはこの専門誌を通じて、情報共有しているのだ。
※週刊ポスト2016年8月19・26日号