ビジネス

上場企業年収ランキング トヨタや日産が圏外のカラクリとは

あの超有名企業の年収はいくら?

 本誌は東京商工リサーチの協力のもと、2015年度の全上場企業(3614社)の「平均年収ランキング」を作成した(以下、ベスト5)。

・1位/M&Aキャピタルパートナーズ(東京都・サービス業)/2253万円
・2位/GCAサヴィアン(東京都・サービス業)/2154万円
・3位/キーエンス(大阪府・電気機器)/1777万円
・4位/日本商業開発(大阪府・不動産業)/1741万円
・5位/ファナック(山梨県・電気機器)/1571万円

 ランキング上位企業には、総じてある共通点がある。社員数が少ないことだ。上位の新興企業ばかりでなく、6位の野村ホールディングス(1516万円)が111人、8位のTBSホールディングス(1491万円)も82人である。人事ジャーナリストの溝上憲文氏が解説する。

「『~ホールディングス』は持ち株会社のことで、基本的に社員は少なく、グループ全体の経営戦略の司令塔役を務めます。テレビ局や銀行・証券会社の持ち株会社なら、社員の年収水準は傘下の中核企業とあまり変わりませんが、持ち株会社の年収が傘下企業の年収と乖離しているケースもある」

 たとえば、年収1451万円で9位のゼビオホールディングスは2015年11月に持ち株会社に移行した。スポーツ用品店のヴィクトリアやゴルフパートナーなど10社を超える子会社を持つ同ホールディングスの社員はわずか11人。移行前の平均年収は497万で、約950万円も増加している。

「こうした企業では持ち株会社の社員を傘下企業の役員が兼務することが多く、自ずと平均年収が高くなります」(同前)

 日本を代表する企業が下位に沈み、「ランク外」になっているのも理由がある。たとえばトヨタ自動車は203位、日産自動車は317位で圏外だ。

 ここに企業が公開する平均年収の「カラクリ」がある。前出・溝上氏の解説。

「このランキングに現われているのは、大卒総合職や技術職だけでなく高卒の一般職や技能職まで合わせた金額です。トヨタや日産など、正社員に高卒中心の技能職が多いメーカーほど、平均年収が押し下げられる傾向があります。一般職の多い総合商社なども同様です」

※週刊ポスト2016年8月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン