入試の多様化は2017年度入試ではさらに一段と加速する。いくつか例を挙げてみよう。〇印の校名は女子校、●印の校名は共学校を示す。
〇大妻中野/新思考力入試
〇共立女子第二/English 4skills Test
〇清泉女学院/グローバル(英語)入試
〇東京女子学園/1科(英語リスニング・スピーキング)入試
〇桐朋女子/論理的思考力&発想力入試
●桜美林/総合学力評価テスト
●桐蔭学園/AL入試(アクティブラーニング入試)
●桐光学園/T(タレント)&M(モチベーション)入試
名称を見てお気づきになったと思う。大学入試改革で取り上げられている用語(「思考力」「学力評価」)などのほか、英語の4技能、アクティブラーニングなど目下の教育の課題になっていることが即入試名称になっている。
背景には、保護者の大学入試改革、使える英語の修得、授業改革への強い関心があり、それへの対応を進学先である私立中高一貫校に求めていることがある。こうした名称の入試を新設することは、「わが校は将来のことをちゃんと意識していますよ」というわかりやすいメッセージになっている。
新しいタイプの入試は受験情報誌でも盛んに取り上げられ、また名称にインパクトがあるので、いま塾でやっている勉強で大丈夫なのかと動揺されるかもしれない。
が、こうした入試を採用している学校でも募集定員の多くは2科、4科で取っている。塾に通っていれば、それが活かせる入試を選べばいいのである。むしろこれまで受験の世界に入っていなかった児童こそ新しいタイプにチャレンジすればいいだろう。
以上のように中学入試はここへきて急速に多様化しているが、わが子にはどのようなスタイルの入試が合っているのか──という点から受験を考えることが大切だ。