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2016.08.19 16:00  週刊ポスト

インプラント治療先駆者「この国の治療はモラルを失ってる」

 小宮山氏は、1980年代にスウェーデンに渡り、オッセオインテグレーションを発見したブローネマルク博士の元で経験を重ね、日本に最先端のインプラント治療を紹介した。その実績から、東京歯科大の臨床教授などを歴任している。

 インプラント治療のメリットとデメリットを小宮山氏に尋ねると、まず彼は欠点から挙げた。

「条件次第で、手術が失敗する可能性があります。インプラントは数多くの種類が流通し、中には構造に問題を抱えていたり、製造上の衛生管理に問題がある製品も存在しています。

 もうひとつの要因は、歯科医の技術や知識が伴っていない場合があることです。インプラントは“最善か、無か”どちらかしかありません。良ければずっと使えるし、歯科医がどこかで手を抜くとこれは無になってしまう。ある意味では怖いシステムなのです」

 その他、小宮山氏はインプラントの欠点として「骨とインプラントの結合に、時間がかかる」「自由診療のために、費用が高額」であることを補足した。

「一方で、最大の利点は、自信を持ってしっかりと噛めるようになること。噛める場所を作ることで、残っている歯に負担をかけずに保護できます。

 また、精神的に自信が持てるようになる人もいます。入れ歯の場合、人前で話す時に外れて飛び出してしまう恐れがあるし、ゴルフなどでは、奥歯を食いしばれないので力が入らないそうですが、これも解消できます」

 歯を失った場合、ブリッジか入れ歯という選択肢しかなかった歯科治療において、インプラント治療は「第二の永久歯」と呼ばれるほどのインパクトがあった。

 筆者の口にもインプラントが一本入っており、自分の歯のように噛めることを実感している。ただし、問題のあるインプラント治療が多いのも事実だ。

●文/岩澤倫彦(ジャーナリスト)と本誌取材班

※週刊ポスト2016年9月2日号

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