ライフ

リオ五輪でも夏バテ知らず ブラジルの国民的ソースのレシピ

夏バテ知らずになるブラジルの国民的ソース

 日本選手たちの活躍続く五輪を開催中のリオデジャネイロといえば、サンバのリズムに合わせて踊り明かすカーニバルに象徴されるように、いつも陽気で快活な街だ。その、夏バテ知らずのエネルギー源は「モーリョ・ヴィナグレッチ」というソースにあるらしい。『世界のお弁当 心をつなぐ味レシピ55』著者の服部直美さんが、ブラジルの元気の素の秘密にせまった。

*    * *
 初の南米開催となったブラジル・リオデジャネイロオリンピック。そんなブラジルの名物料理といえば、シュラスコ。大きな鉄串に牛肉や豚肉、鶏肉、ソーセージなどを刺し、岩塩をふって、炭火でじっくり焼いた豪快な肉料理だ。もともとは、南部のガウショと呼ばれるカウボーイたちが親しんだ野外で食べる食事のスタイルで、ブラジルではシュハスコと発音するそうだ。

 リオのカーニバルの激しいダンスでも有名な暑くて熱い国ブラジルでは、レストランだけでなく、家庭でも気軽に肉やソーセージを焼いて食べる。ブラジルの大きな家や、マンションなどの共同住宅には、シュハスケイラと呼ばれるレンガや石などで囲った炭火の肉焼き場が常備されているところも多く、家族や親しい友達が集まれば、いつでもシュラスコパーティーとなるそうだ。

 冷たいビールと一緒にたくさんの肉を食べ、語らい、踊る陽気なブラジル人は本当にシュラスコが大好き。そんなシュラスコに絶対欠かせないというモーリョ・ヴィナグレッチという万能ソースをご存じだろうか?

 モーリョ・ヴィナグレッチは、Molhoソース、Vinagrete酢で、ビネガーソースのこと。野菜とビネガーで作るこのソースは、ブラジル料理に定番の付け合わせのようなソース。シュラスコやバーベキューを食べる時には必ず用意され、他にもブラジルの国民食フェイジョアーダ(豆と肉の煮込み料理)の付け合わせにもなる。焼いた肉にかけるとさっぱりとして、いくらでも食べることができるな不思議なソースだ。色々な野菜を細かく刻んだ名脇役の万能ソースは、レストランだけでなく家庭でも色々な味があるという。

 作り方もとっても簡単。トマト、玉ねぎ、パセリ、ピーマン、などの野菜を細かく切ったものに、オリーブオイル、白ワインビネガー、塩、胡椒などを加え、混ぜ合わせるだけ。家庭によっては、きゅうりやにんにく、コリアンダー、唐辛子を入れたり、ライムやレモンの果汁を加えたりする。本場ブラジルではフェイジョアーダの煮汁を入れる応用系も。他にもセロリやパプリカ、オレンジ色や黄色のトマトなど、カラフルな野菜を入れてもおいしい。その家庭に代々伝わる作り方があり、レストランでも各店で、入れる野菜も調味料も少しずつ違うので、お気に入りの味を見つけるのも楽しい。

 白ワインビネガーで作れば、まろやかな味になり、酸っぱいのがお好みならば、日本の酢で代用してもいいし、リンゴ酢や他のフルーツ酢、すし酢などで作ってもおいしい。作りたては野菜のシャキシャキ感が楽しめ、少し時間が経つと、調味料と野菜から出る水分で、よりソースらしい仕上がりになる。作り方も簡単なのに、このソースさえあれば、なぜかボリュームたっぷりの肉が、口の中で肉汁とさっぱりとしたソースと合わさり、ついつい肉がすすんでしまう。

 このソース、細かく刻んだ野菜がメインになるので、見た目はちょっぴり山形のだしや、メキシコのサルサソースにも似ている。しかし味は、日本でもブレイクした、酢玉ねぎに他の野菜も入って、ぐっとおいしくなった感じだ。そんなブラジル人たちの食卓に欠かせないこの万能ソースについて、管理栄養士の岡田明子さんにお話を伺った。

「日本でも、酢玉ねぎや、酢しょうがなど、今流行していますが、共通するのはクエン酸です。お酢に含まれるクエン酸は、疲労回復には欠かせないんです。このソースの材料、ビネガーはもちろんのこと、家庭によって加えるというレモン、ライムなどにもクエン酸が含まれ、夏バテで食欲不振のときや、疲れているときには、とってもいいんですよ」

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン