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危ない歯科医を見破る法 派手な宣伝広告とスタッフの定着率

日本歯内療法学会・理事の小林優氏

「いい歯医者を見つける方法を教えてほしい」という問い合わせが多く寄せられているが、実は歯科医選びほど難しいものはない。30年以上にわたり、臨床の第一線に立つ日本歯内療法学会・理事の小林優氏(東京・村岡歯科医院)は、麻酔で歯科医の資質が分かるという。

「私も治療中に少しでも痛かったら片手を上げてと言いますが、歯科医の中には患者の手が上がっても無視したり、我慢してという人がいます。それは患者の気持ちに寄り添っていない表われだから、本当に親身になって治療してくれるのか、疑ったほうがいい」

 必要もないのに平気で歯を抜く歯科医が巷に溢れている、と怒りを露にする小林氏。そんな悪徳歯科医を見分けるポイントとして、「派手な宣伝広告」「スタッフの定着率」を指摘した。

「雑誌・ムックの名医特集の中には1ページ150万円といった値段で掲載できるものもあります。ネット検索の上位にくるようにしたり、バナー広告を出したり、広告費に多額の投資をしているクリニックは、その費用回収のために、営利優先の治療に走りますよね。それに、スタッフが定着しないクリニックは、適切ではない治療をしている可能性があります」

 また、匿名を条件にある歯科技工士が証言する。

「クラウン(被せもの)の型を『印象』と呼びますが、この印象を取る作業を資格のない歯科助手にやらせているクリニックが多い。その結果、患者は隙間の空いたクラウンを装着されています」

 印象を取る作業が慣れない様子の時は「あなたは資格を持っているのですか?」と確認してほしい。

●文/岩澤倫彦(ジャーナリスト)と本誌取材班

※週刊ポスト2016年9月9日号

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