国内

「しんぶん赤旗」 政権に不都合な情報も調査する諜報機関

稲田朋美氏の政治資金疑惑をスクープ

 8月初旬の内閣改造直後、官邸内で、ある“報道”が波紋を広げた。

「しんぶん赤旗」が、稲田朋美・新防衛相が「白紙領収書」を受け取っていたとの政治資金疑惑をスクープしたのである。

 国会閉会中のため永田町で追及されることもなく、赤旗が「領収書の筆跡鑑定」で独自に調べ上げた内容だったため一般の新聞が後追いすることはなかったが、看板新大臣のスキャンダルを報じた赤旗のねっとりと執拗な“調査力”に、官邸中枢は動揺を隠せなかった。

 多くの人は手に取ったことがないかもしれないが、赤旗は日本共産党の「機関紙」として、日刊紙は全国で約20万部、週刊の「日曜版」は約100万部発行されている。

 党の機関紙と言っても、他党のそれのように「党の方針や考え方を読者に知ってもらう」というのは、この新聞の役割のほんの一部だ。

 実際には、稲田疑惑のように与党議員のスキャンダルや政権にとって不都合な情報を調査し集約する“諜報機関”であり、約200億円もの購読料という形で党収入の8割以上を支える“集金マシン”であり、新聞購読勧誘を入口にして党員を増やすための“党勢拡張ツール”でもある。

 何より赤旗は、参院選で躍進した共産党のパワーの源泉ともなっている。そしてその共産党は、今後も「野党共闘戦略」を続けて国会でキャスティングボートを握ろうと狙っているのだ。

※SAPIO2016年10月号

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト