欧米人が話しながら、これに似た仕草をやっているのを見たことがないだろうか? 顔の横で、両手をカニのようにピースサインの形にして、指をクイクイと曲げるあの仕草である。あれは、「エアークォート」や「フィンガークォート」と呼ばれ、「いわゆる」と二重引用符を表し、言葉の裏に皮肉や疑問、反論など、何か意味がある時にするものなのだ。日本人は滅多にしない仕草だけど、小池都知事は海外留学経験も豊富だから、自然と身に付いていたのだろう。
 
 この仕草をしたということは「経費節減という名目で変な努力をしちゃったけど、それは表向きであって、安くあげるためだけではなく、なんらかの故意が働いていたかも?」という疑問を都知事が持っているのか。それとも「実は本当のことを薄々知っているんですけどね」とでも言いたいのか。どちらにしろ、「変な努力」を不愉快に感じ、痛烈に皮肉っているのは確かだ。
 
「次から次へと課題が出てきて悩ましい」と、視線を落として口を真一文字にしっかりと結んだ小池都知事だが、出馬表明会見では、東京都に山積する課題を、両手でボールを包みこむような手の平サイズで表していた。イザ、蓋を開けてびっくり。課題と無駄が、ここまでひどいとは思っていなかったに違いない。
 
 はてさて、その課題と無駄がいったいどれくらいあるのか。
 
 都知事報酬半減を宣言した定例会見では、「無駄と言ったら叱られる」と苦笑いしながらも、「削いでいかないといけない部分がたくさん出てくる」と、口角がやや下がった情けないほほ笑みを見せながら、胸元辺りで、右手で払うような、まさに削ぎ落とすような仕草を見せた。
 
 右から左に6回、次に、左から右へ5回、いや6回かな。残念ながら、インターネットで公開されている会見だと、都知事の上半身しか見えないので、きっちりと確認できない。
 
 これが、小池都知事の頭に浮かんだ無駄や課題の数だと仮定するとしよう。
 
 6という数字を2度繰り返して強調したのか、それとも足し算して11か12か。それは正直、わからない。だけど人は、自分の考えている数字や、思い浮かべた数字を無意識のうちに言葉や仕草で、露わにしてしまうことがある。
 
 例えば、『炎の体育会TV』でメンタリズムのDaigoさんがゲストと行う心理カードバトル。鋭い観察力と洞察力で、いつもすごいと感心してしまうのだけど、その中の大関琴奨菊との一戦。「5」という数字を選んだ琴奨菊は、心を読まれそうになり、「後の先がある」と後攻めを強調しながら、盛んに「ご」という数字を口にしてしまう。表情を見なくても、これではバレバレ。
 
 もし、「削いでいかないと」と言いながら見せた払う仕草が、都知事の思う無駄や課題の数なら、少なく案件は6、それとも11か12か。いや、課題の数とは限らない。もしかすると、小池都知事が粛清したい人の数が含まれているのかもしれない。
 
 少なくとも、今、パンドラの箱があるのは、豊洲市場と東京オリンピック。他の箱がどこで見つかり、どのタイミングで開けられるのか。小池都知事の東京大改革が楽しみである。

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