映画に登場するセリフを日常生活の中でさりげなく使うのもオススメ。最初に紹介した「名台詞ステッカー」には、たとえばこんなセリフが載っています。
「え、蒲田に?」
「まずは君が落ち着け」
「仕事ですから」
「私は好きにした、君らも好きにしろ」
どういう登場人物がどういう場面で言ったセリフかはわかりませんが、モノマネっぽい口調で発すれば大丈夫です。飲み会の場所を聞いたときには「え、蒲田に?」を踏まえた上で「え、池袋に?」などと返しましょう。部下がアクシデントであわてていたら「まずは君が落ち着け」を使うチャンス。漏れ聞いたところによると、このセリフを言うときは、ペットボトルの水を相手に差し出すといいようです。
残業を誰かからねぎらわれたら「仕事ですから」と答え、みんなで居酒屋に行ったときは、さっさとビールを注文して「私は好きにした、君らも好きにしろ」と言い放てば、何人かは笑ってくれるでしょう。ただ、流行りに疎そうな上司がいる場合は、使わないほうがいいかも。「なんだね君は、偉そうに!」と怒られかねません。
こんなふうに無理やり『シン・ゴジラ』の話題に乗っかることで、世の中の流れにちゃんとついていけているところを見せられるし、じつは観ていないことがいつバレるかというスリルも味わえます。もしかしたら、それは『シン・ゴジラ』を観て味わえる以上のスリルかもしれません。そして、こんなふうに乗っかってから映画を観に行けば、自分の想像が合っていたかどうかを確かめるという独特の楽しさも味わえます。
こんなにいろいろお得なことがあるなんて、ああ、今まで観てなくてよかった! 乗り遅れ組こそ勝ち組ですね! ヒャッホー! いや、すいません。まずは私が落ち着きます。