たわいもない話をグダグダ書き連ねているように見えるだろうが、若い編集者やライターがこの文章をただ笑って読んでてほしくない。あなたたちはただのエロ記事でもこうやって、ちゃんと顔をつきあわせて記事を作ってきただろうか。仕事をメールで投げ、原稿をメールで投げ返すことだけしかやってこなかったのではないだろうか。
顔をつきあわせて無駄話をしているようで、お互いの仕事観、倫理観を交換していく。これがねつ造を生まない信頼関係の醸成につながる。ただ編集者、ライターという関係を結ぶだけで信頼関係が生まれると思い込んでいたら大きな間違いだ。
そして信頼関係の醸成は、もっとも大切な価値観を共有することにつながる。それは「読者を裏切らない」ということだ。紙でもネットでもテレビでも、この一点さえ間違わないようにしておけば、大きな事故につながらない。しかし最近は「炎上商法」という言葉が大手を振っている通り、どうもこの価値観がおざなりになっている気がする。PVももちろん大事だが、「なんで記事を書いているのか」という根底をまず確認したい。
私はキャリアだけは長いしパートナーの編集者も紙の経験を積んできている人が多いので、初めて仕事をしてもこの価値観は「あ・うん」の呼吸で伝わる。しかしこれが両方ともその価値観がない人だったら、どういう記事ができるのだろうか。
エロ記事書いてた奴が偉そうにいうなと言われそうだが、編集者とライターの関係が薄くなってきたと、今の自分の仕事でも感じるので書いた。