近鉄バファローズの「いてまえ打線」中軸として活躍した金村義明氏(53)のお宝は、高級時計のプレゲ「タイプXXアエロナバル」だ。野球道具ではないが、裏には「祝い」「仰木彬様 高倉健」とある。近鉄の監督だった故・仰木彬氏の腕時計を、なぜ譲り受けたのかについて金村氏が語った。
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僕の恩人であり、尊敬する仰木彬さん。その仰木さんからいただいたのが、このブレゲの時計です。
1996年にオリックスが日本一になった時、仰木さんが俳優の高倉健さんからお祝いに贈られたもの。裏に「祝い」の文字とともに2人の名前が刻まれています。
仰木さんは高倉健さんの高校の後輩。高倉さんを心から尊敬されており、いつもこの時計をつけて大切にされていました。それを知っていた僕がある時、冗談混じりに「仰木さんが死んだら、形見にくださいね」と言ったんですが、仰木さんはそれを覚えていて、「これ欲しがってたやろ。生前贈与や」と手渡してくださったんです。
その時計は本当に形見になってしまいましたが、僕の大切な一番の宝物です。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2016年10月7日号