◆まだまだ成長が見込める
炒飯の市場は外食と手作りと併せて1050億円(2014年度)と巨大だ。それに対して冷凍炒飯市場はまだ300億円弱に過ぎない。「成長が見込める」とメーカーが自信を見せる理由もそこにある。今後どれくらい「ザ・チャーハン」へと客を呼び込めるのか。
「2015年度の購入率は6%しかありません。100人のうちたった6人しか食べていただいていない。一度味わっていただければ必ずリピートしてくださるはずです」と商品の浸透を図る商品開発グループの田中宏樹氏(35)。
「具材を減らす」という引き算。そして、「香り」「コク味」「量を増やす」という足し算。消費者の声に耳を傾けた時、「引き算」と「足し算」の余地を残している定番商品が冷凍食品の中に存在することが見えてきた。いや、冷凍食品だけではない。客の声に沿って引き算足し算をすることで、ヒット商品に生まれ変わる定番商品が他の分野にもありうることを、「ザ・チャーハン」は教えていないだろうか。
※SAPIO2016年11月号