国際情報

在日韓国人留学生 22人中20人が「私は韓国人ではない」

韓国への留学で感じる違和感も

 日本で生まれ育った在日韓国人の中には、高校や大学で母国に留学し、韓国語や韓国文化を学ぶ人がいる。彼らはその留学を通して、「私は韓国人ではない」との意識を強めるという。そう思わしめる経験とは何か。在日韓国人ジャーナリストのコナー・カン氏がリポートする。

 * * *
「母国修学が在日コリアンのエスニックアイデンティティに与える影響に関する研究」そう題された修士論文が韓国で話題になった。筆者はソウル大学大学院で社会学を専攻したユン・ダイン氏(27歳)。

 海外に住む韓国人に向けた広報活動などを行う「在外同胞財団」(韓国外交部傘下)が主催した学位論文公募展(2015年)で、最優秀賞を獲得した。
 
 ユン氏は論文執筆のため、韓国に6か月以上滞在する在日韓国人留学生22人にインタビュー。その結果、22人中20人が「私は韓国人ではない」「私は在日だ」という意識を留学中に強化していることがわかった。つまり、せっかく母国で学んでいるのに「韓国人としてのアイデンティティ」が生まれないというのである。
 
 韓国政府は在日韓国人らを対象に『母国修学制度』を長年実施してきた。「民団(*1)」が幹部育成のため本国に要請し、制度化されたのは1962年。「国費奨学生」として韓国の大学への進学が認められた。その後、高校生向けの短期留学が加わるなど、変遷を経て現在に至っている(*2)。

【(*1)在日本大韓民国民団の略称】
【(*2)1980年代には日本以外の在外韓国人にも門戸が開かれた。現在は自費留学が基本で、成績優秀者などに奨学金を支給している】 

関連キーワード

関連記事

トピックス

モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン