つまり、大手コンビニは資本提携などを繰り返し、スケールメリットを追い求めながらも、「また家の近所にセブンができた」「ファミマだらけで飽きた」といった消費者の声に対応する意味でも、“同じ看板でも特色を変えた店づくり”を推し進めているのだ。
だが、各地域のFC(フランチャイズ)オーナーが、自分の好きな商材を独断で仕入れていいというわけではない。
「コンビニ経営でもっとも大事なのは『品質管理』です。FCオーナーが一部店舗だけに仕入れた商品であっても、たとえば食中毒などの被害を出してしまえばチェーン全体のイメージダウンに繋がります。
そのため、個人農家の野菜ひとつでも、本部の許可と厳しい品質管理のチェックをクリアしないと売れません」(前出・清水氏)
全国どこでも──という「看板」に対する信頼を広げつつ、地域ニーズに合わせた独自商品で差別化するのは容易ではない。だが、PB(自主企画)商品が根強い人気となっているように、消費者がいま成熟市場となったコンビニにもっとも求めているのは、“目新しさ”なのかもしれない。