ライフ

ダニ、カビシーズン到来 寝具の汚れを洗って落とすなら今

わずか半年使用の寝具を洗うとこんなにも汚れが

 まずはこの写真を見てほしい。これはマットレス「エアウィーヴ」を浴槽で丸洗いしたときのものだ。わずか半年間の利用でこんなにも汚れがたまるのだ。そのなかには、ぜんそくやアトピー性皮膚炎を引き起こす原因となるダニやカビも含まれる。

 ここまで汚れているとは…。自分が普段使っている布団のことが心配になった編集・O(オー)は、ダニやカビの研究を行うエフシージー総合研究所の川上裕司さん(農学博士)の元に駆け込んだ。不安顔のOに、川上さんは「マットレスに限らず、寝具の洗濯は今こそすべき」とピシャリ。

「そもそもダニやカビが増えるのは、春からじめじめと蒸し暑い梅雨の時期、そしてそれは9月まで続きます。その死骸や糞、カビの胞子がハウスダストの中にたまり冬になると悪さをします。ダニは、寝具に入り込んで人間のアカやフケなどを食べて生き延びています。高断熱・高気密化が進んだ現代の家では、冬場にこれらが一気に増殖するのです。加湿器を多用するとさらに増える原因になります」

 そんな悲劇を防ぐには空気が爽やかな今のうちに寝具を洗うこと。除菌スプレーもあるが「どんな細菌やカビにも効くわけではないので、洗えるものは洗って、紫外線で殺菌した方がいいです」と川上さん。

 寝具の中で最も汚れ、ダニを増殖させやすいのは枕だ。

「顔に接しているので、汗や皮脂汚れがいちばん付きやすいからです」(川上さん)

 ただし洗えない枕もあるので、まずは表示をチェック。

「洗濯王子」として知られる洗濯家の中村祐一さんは「そば殻や低反発ウレタンは水洗いできません。代わりに乾燥機に10~20分かけることでダニやカビを抑制できます」と語る。洗える枕は洗濯機へ。

「よだれのしみや皮脂汚れなど気になる部分に直接、中性の液体洗剤をつけてください。枕1つだと洗濯槽の中で片側に寄ってしまい、うまく洗えないことがあるので、枕2つかバスタオル2、3枚と一緒に洗います。

 手洗いコースなどで優しく洗うと、型くずれなく汚れを落とせます」(中村さん)

 続いて掛け布団。顔に触れる部分が多いので、やはりダニ発生の温床となる。洗濯機で洗うときのコツは「縛ること」。筒状に丸めてからビニールひもやゴムで縛り、洗濯機へ。

「こうすることで、中綿が偏ってしまい布団が型くずれするのを防げます」(中村さん)

 やはり洗剤は中性の液体洗剤で、洗濯コースは「布団コース」や「大物コース」。

「洗濯機にこうしたコースがなければ、水の量をいちばん多く設定してください。すすぎ残しを防ぐためです。粉末より液体洗剤がいいのも、すすぎ残し防止のためです」(中村さん)

 そして最難関のマットレス。冒頭で紹介したエアウィーヴなどは丸洗いできるが、大半のものは洗えない…。しかし、安心してください。ダニやカビ防止は可能だ。

「汗などの水分は下へ下へと伝わっていき、そこに湿気がたまるとカビが生えます。なので、下側に空気を通すことが重要。マットレスを少し上げて扇風機で風を通したり、壁に立てかけるだけでもいいです。これを週に1度ほどすることで、カビの発生を防げますよ」(中村さん)

 もちろん、布団カバーやシーツの洗濯も週に1度はお忘れなく。快適な睡眠環境を整えて、冬に備えよう。

※女性セブン2016年11月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン