ライフ

押切もえ 速水御舟作『炎舞』を観てチャレンジ精神に感服

速水御舟の『炎舞』を前に(山下裕二氏と押切もえさん)

「ナマの日本美術を観に行こう」と始まった大人の修学旅行シリーズ。今回は、明治末から昭和初期に活躍した速水御舟(はやみ・ぎょしゅう)。40年という短い生涯を通して、日本画の新たな表現に挑み続けた画家だ。120点の御舟作品を所蔵し、「御舟美術館」として親しまれる山種美術館で開催中の特別展を、明治学院大学教授で美術史家の山下裕二氏と、絵画は「二科展」に今年で2年連続入選したモデル・作家の押切もえさんが観覧。晩年までの画業の軌跡を辿った

山下:押切さんは普段から絵画展へ足を運ばれるそうですね。日本画もご覧になられますか。

押切:物のあり方や美しさを繊細にさりげなく表現する日本画の素晴らしさに開眼して、最近はよく観ます。山種美術館へも訪れたことがありましたが、御舟の最高傑作とされる『炎舞』は今回初めて鑑賞しました。画集ではもっと激しい赤色に感じましたが、実物は淡さがあってとても幻想的です。

山下:絹地に描かれているからこそ、しっとりとした絵肌が魅力的ですよね。

押切:淡い色味ですが、今にも炎が動き出しそう。轟々とではなく、音もなく燃え上がるイメージですね。観ていると、そんな情景が浮かび上がるのですから凄い絵だと思いました。

山下:ぞっとするような絵でもあります。炎の描き方は仏画や絵巻など古い様式を踏襲していますが、御舟は熱心に焚き火を観察したそうで、煙が渦巻く様子などはその賜物でしょう。絵自体が発光しているような、不思議な感覚にとらわれます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン