国内

「危険な手術」イメージが残るレーシック 本当に安全なのか

レーシックが日本で始まって25年が経過した

 レーザーで角膜を削って光の屈折を変え、近視、遠視、乱視を治す――画期的な治療法とされたレーシックが日本で始まって25年が経過した。

 その評価はいまだ定まらない。2008年~2009年には銀座眼科でレーシックを受けた約70人が細菌性角膜炎などを発症し、元院長が業務上過失傷害で逮捕された。

「危険な手術」という負のイメージが残るレーシックは本当に安全なのか。自身も18年前にアメリカでレーシック手術を受けたという、クイーンズ・アイクリニック理事長の荒井宏幸さんは「肯定派」だ。 

「1000分の6mm単位で角膜を削るレーシックを受けると、視力0・1の人が翌日は1・2くらいまで見えるようになります。現在は老眼を軽減するレーシックも可能で、技術的には進化しています。レーシック導入から長い期間が経ちましたが、危険な手術なら現在まで残っていません。私自身の視力もすこぶる良好ですよ」(荒井さん)

 レーシックは保険適用外の自由診療だ。荒井さんの執刀するクリニックでは、片目20万~25万円が目安という。

 眼鏡やコンタクトレンズのわずらわしさから解放されると、どんどん広がっているレーシックだが、筑波大学医学医療系眼科教授の大鹿哲郎さんは、若いときに受けたレーシックが、将来的な目の病気を見逃す要因になりうると指摘する。

「レーシックを受けると角膜が薄くなり、眼圧が低めに測定されます。すると検査で緑内障を見逃す恐れがある。また角膜の形が変わったことによって、人工レンズの度数計算が難しくなり、白内障の手術後にピントが合いにくくなる恐れもある。レーシックを受ける人は長期的に自分の目のことを考えて、高齢者になった時に影響が出る可能性があることを忘れないでほしい」(大鹿さん)

 そうしたリスクを回避するためには「医師の質」が何より重要だと荒井さんは指摘する。

「銀座眼科の事件は、器具の消毒不足や手袋の未使用など、医師のモラル欠如が生んだ特殊な例です。とはいえ、今もビジネスとして派手な広告宣伝をして、事前にきちんと診断をせずにレーシックを行う病院があることも事実です。大切な目を守るためには、角膜治療に詳しい眼科専門医のもとでレーシックを受けてほしいですね」(荒井さん)

※女性セブン2016年11月10日号

関連記事

トピックス

電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、大学進学で変化する“親子の距離” 秋篠宮ご夫妻は筑波大学入学式を欠席、「9月の成年式を節目に子離れしなくては…」紀子さまは複雑な心境か
女性セブン
ニューヨークのエンパイヤ・ステイトビルの土産店で購入したゴリラのぬいぐるみ「ゴンちゃん」は、公演旅行に必ず連れて行く相棒
【密着インタビュー】仲代達矢・92歳、異色の反戦劇を再々演「これが引退の芝居だと思ってもいないし、思いたくもないんです」 役者一筋73年の思い
週刊ポスト
現在は5人がそれぞれの道を歩んでいる(撮影/小澤正朗)
《再集結で再注目》CHA-CHAが男性アイドル史に残した“もうひとつの伝説”「お笑いができるアイドル」の先駆者だった
NEWSポストセブン
『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)
【漫才賞レースTHE SECOND】第3回大会はフジテレビ問題の逆境で「開催中止の可能性もゼロではないと思っていた」 番組の総合演出が語る苦悩と番組への思い
NEWSポストセブン
この日は友人とワインバルを訪れていた
《同棲愛を本人直撃》TBS報道の顔・山本恵里伽アナが笑顔で明かした“真剣交際”と“結婚への考え”「私なんかと、貴重な時間をずっと共有してくれている人」
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
《TBS夜の顔・山本恵里伽アナが真剣交際》同棲パートナーは“料理人経験あり”の広報マン「とても大切な存在です」「家事全般、分担しながらやっています」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン
母の日に家族写真を公開した大谷翔平(写真/共同通信社)
《長女誕生から1か月》大谷翔平夫人・真美子さん、“伝説の家政婦”タサン志麻さんの食事・育児メソッドに傾倒 長女のお披露目は夏のオールスターゲームか 
女性セブン