小池百合子・東京都知事が〈東京大改革を目指して、都政を学ぶ〉と掲げた小池政治塾には募集開始(9月28日)から締め切り(10月20日)までのわずか20日あまりで4000人を超える希望者が殺到した。そのうち3割を女性が占めるという。4年前に旋風を起こして国会議員や地方議員を輩出した橋下徹・前大阪市長の維新政治塾の第1次募集の応募者(3326人)を大きく上回る人数だ。
参加者には受講料(一般男性5万円、女性4万円)に加えて小論文などの提出が課せられたが、締め切りから5日後には合格を通知し、ネットに「小池塾に合格しました」「小池塾で学んだことをネットで報告します」といった声があふれた。
塾の規約には、〈本塾は、人材育成に主眼を置いた組織であり、特定選挙において「都民ファーストの会」「小池百合子」の公認・推薦・支持・支援を塾生に約する組織ではない〉と断わりがあるものの、合格者には「将来、選挙に立候補する意思があるか」「立候補したい選挙の種類」「所属したい党派」などのアンケートが行なわれており、来年7月の東京都議選をはじめ、国政や他の地方議会を含めた“候補者養成”を睨んでいることは明白だ。
政治塾を運営する政治団体「都民ファーストの会」会計責任者の音喜多駿・都議が語る。
「政治家になる意思が本当にあるかというアンケートは行なっています。小池都知事にも政治信条が同じ人を集めたいという思いはあるでしょう。選挙対策講座を開く準備もしています」
日本の議員数は国会、都道府県議会、市区町村議会すべて合わせて約3万5000人。そのうち国会議員の約6割、都道府県議会の5割が自民党議員で、市区町村議会も自民党系無所属議員が多数派だ。そこにいきなり4000人超もの“対立候補予備軍”が出現したのだから、脅威に感じるのは当然だろう。政治評論家の浅川博忠氏がこの現象を分析する。