「現在は国政も地方議会も議員の新陳代謝が起きにくい状況がある。国政選挙は自民党が4連勝して選挙区は現職議員で埋まっている。地方議会でも旧民主党系会派が衰退して自民党系会派と公明党で顔ぶれが固定化しているケースが多い。
知名度や組織のバックがない新人が自民党から選挙に出ようとしても、『資金はいくらあるのか』『票は何票あるか』といわれて候補者になれない。かといって落ち目の民進党から出たいという人は少ない。塾生は政治家になりたい人ばかりとは限らないが、行き場がない政治家希望者たちが小池人気を頼りに“この指止まれ”に応じたのではないか」
それにしても4000人は尋常ではない。
「塾生の選考期間が短く、本人の資質など候補者としての身体検査までは手が回っていないと思われる。よくいえば玉石混淆、有り体にいってしまえば烏合の衆です。それでも自民党にすれば、“来年1月解散、2月総選挙”を視野に入れている中で、小池新党として塾生たちに出馬されると厄介。なんといっても政治塾の応募者の多くは熱心な小池支持者ですから、小池新党には4000人の選挙ボランティアがいると考えた方がいい」(浅川氏)
地方議会でも、政務調査費問題で自民党系議員らの辞職が相次いでいるだけに小池塾生を名乗れば風に乗って当選する者もかなり出てくる。まさに自民党は小池新党の“4000羽の烏”が風に乗って縦横無尽に羽ばたいて票数を荒らし回ることに怯えているのだ。
※週刊ポスト2016年11月11日号