「結局ウチのことをアクセサリーとしか見てなかったのね。稼ぎがなくなると”風俗でもやれば”なんて言われて…。Zはあの時の縁を大切にしてくれて、何にもできないウチを今も雇ってくれる。給料はもう少し上げて欲しいんだけどね」
彼氏と別れ、ほとんどモデルとしての仕事がなくなってしまってからは、父親と兄が暮らす西葛西の実家に戻った。しかし、R香はそれでも「読モ」も諦めきれなかった。そこにはブログやSNSの存在があった。
「誌面には出てなくても、ブログには毎日数十の書き込みがあったのね。まだウチにもファンいるじゃんって。フェイスブック、インスタ(Instagram)では、読者っぽくない人たちや外国人からの反応もある。それが直接お金になることはないけど…」
さて、R香の知人Y子は、R香のSNSを見るたびに「またか」とため息を漏らしていた。R香がSNSに投稿を続ける理由について、Y子は次のように説明する。
「R香はブログやSNSの頻繁な更新を”自己承認欲求”なんて言ってるけど、R香の場合は完全に”パパ探し”。実際、読モ時代に付き合っていた男性(前述)だって、クラブイベントに呼ばれたいから自分からアプローチしていき、付き合い始めた。今R香がやってるのも、お金持ってたり派手なオッサンと一緒に過ごして写真撮ってSNSにアップするっていうアピールしてるだけ。
男を踏み台としてしか思っていない。何人かとは会うたびに特別な関係になって、数万円のお小遣いもらってるんだけど、オッサンも喜んでるし、別にいいんだけど(笑)」
もう一人の元「読モ」女性は、現役の時にできちゃった結婚を経て引退。その後離婚し、再び読モ活動を始めたS子だ。S子もまた、少なくとも日に5回はSNSを更新し、派手なパーティーに参加したことや撮影風景、アパレル会社での打ち合わせといった出来事を報告しまくっている。あまりまともには見えなそうな「ネットワークビジネス」を主催する男性らとも、SNS上で頻繁にやり取りしていることも伺える。
この「ネットワークビジネス」にかつて参加していたという男性は、主催者の男性が開くイベントにおいて頻繁にS子の姿を目撃していた。
「S子は主催者の周りにいる何人かの女のうちの一人でした。確かに美人でスタイルもいいし、名も多少知れ渡っている。S子は主催者の妻気取りで、周りの女の悪口を触れ回ったりしたこともありましたね。もっとも、主催者は冷静で“あの女は俺のことをカネとしか見ていない”と見抜いていた。実際S子は、子供と主催者のスリーショットをSNSにアップし、揉め事になっていたそうです。一時期はビジネスの広告にも載っていたS子ですが、まあこのビジネス自体が詐欺なんで(笑)。浅はかだと思いましたね」
かわいくてキレイな女性たちが、そのきらびやかな日常をSNSにアップする。我々はそれを「幸せそうだ」とか「羨ましい」と思って眺めるしかないが、彼女たちにとっては「死活問題」ともいえる、日々の重要な業務といえるだろう。そして、一瞬でも人から憧れられる立場を味わった経験を持つ彼女たちは、いまもあの喜びを追い続けているのかもしれない。