まずは、風邪薬をのむタイミング。のむのは基本的に食後となる。1日3回の薬は服用間隔を4時間以上、1日2回なら6~8時間必ず空ける。

「決められている以上に薬をのむのは絶対にやめてほしいですが、かといって、3回といわれているから3回のまなきゃいけないなどと考えて、必ず決まった回数をのむ必要はありません。どうしても症状を止めたいとき、寝る前のみでも大丈夫です」(宇多川さん)

 そして、何をのむか。風邪をひいた時にのむ薬には、風邪の症状全般に効くとされる総合感冒薬と、咳や鼻水などの症状に合わせた咳止め、鼻炎用内服薬、解熱鎮痛薬などがある。武政さんは、「できるだけ症状に合わせた薬をのむべき」とアドバイスする。

「熱がなくて咳だけなら咳止め薬、熱と鼻水があれば解熱剤と鼻炎成分だけ入った風邪薬など、出ている症状に限定した薬をのむことが基本です。

 いろいろな成分を含む総合感冒薬は、病院に行けない夜間や土日の応急処置薬としては役立ちますが、熱がないのに解熱成分を体内に入れたら胃に負担がかかり、鼻水がないのに鼻炎成分が配合されていたら眠気が出るケースもある。症状改善には必要のない成分が、思わぬ“悪さ”をするんです」

 余分な成分を避けるコツは、薬のパッケージを見ることだ。

「薬のパッケージに記される『効能』の順番が目安になります。『熱、鼻水、咳』と書かれていれば、その製品は解熱効果を一押しにしている。『喉の痛み』が最初にあれば、喉の痛みに効く成分が特徴的に含まれています」(武政さん)

 副作用を招く成分についても最低限は知っておきたい。

「風邪薬に含まれる抗ヒスタミン薬は鼻水を止める作用がありますが、眠気を催したり頭がぼーっとすることがあり、車を運転する人は控えるべきです。咳を止める成分のエフェドリンは心拍数を増して血圧を上昇させるので、高血圧で降圧薬をのんでいる人は要注意です」(武政さん)

 持病のある人が気軽に薬をのむと、思いがけない症状が表れることもあるのだ。安易に自己判断で選ばず、薬剤師に相談したほうが効果も安心感も確実といえる。

※女性セブン2016年11月24日号

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