トランプ大統領は公約をすべて実現するとの見方も(写真/アフロ)
次期アメリカ大統領に決まったドナルド・トランプ氏は、1980年代半ば頃から、「いつか大統領になる」と周囲に話していたという。
その頃の彼にロングインタビューした日本人がいる。グローバルビジネスコンサルタントで一橋大学非常勤講師の植山周一郎さんはこう語る。
「『本当に日本人は頭がいいよね。私は日本人を尊敬する。それに比べてアメリカの政治家はバカが多い』と彼は言うんです。今思えば、当時から既存の政治に対しての不満を持っていたのかもしれません」
自らの野望を実現させたトランプ氏とはどのような人物なのか?
1946年、ニューヨーク生まれのトランプ氏は、生粋のニューヨーカーだ。父親は不動産開発業者で、トランプ氏は父親を「最も重要な影響を与えた」人物だと語っている。名門、ペンシルベニア大学を卒業後、父親の経営する会社に入社。25才で父親から事業を譲り受けた。
「トランプは酒もたばこもやりませんが、高級クラブに毎日のように通って経営者や上流階級の人脈を増やしていったそうです」(在米ジャーナリスト)
そうした人脈を生かしてビジネスを拡大。1980年代にはビル・ゲイツやビヨンセも住んでいるという「トランプ・タワー」を筆頭に、「トランプ」の名を冠したホテルやカジノ、ゴルフ場などを次々に建設。「アメリカの不動産王」と称されるようになった。当時の印象を植山さんが振り返る。
「彼は190cmほどもある長身で、今よりずっとスマートでした。ハンサムで、まるでハリウッドスター。しかも愛嬌があり、喋り方も非常にソフト。言葉を選んで、相手を気分よくさせるようなコメントを必ず入れる、気配りのできる人でした」
1990年代に入り、ビジネスの拡大に失敗。4度の破産に追い込まれ、多額の負債を抱えて「世界一貧乏な男」と呼ばれた時期もあったが、1990年代後半には「トランプ」のブランドを活用して再建。現在の資産総額は約3800億円といわれている。