国際情報

トランプ氏政策 冷静に見れば滅茶苦茶でないものも多い

選挙中の政策について修正を図る(トランプ氏Facebookより)

 ドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領選挙に勝利し、今後の世界の政治経済に大きな混乱が生じるのではとの見方もあった。だが、その後のトランプ氏の言動は現実的で穏健ともいえるものだった。過激とも言える選挙中の政策について前言撤回や修正を図っている。

◆「オバマケア(低所得者向けの医療保険制度)は完全に撤回する」→「現行法を修正し、一部を引き継ぐ」

◆「日本と韓国の核武装」→「そんなことはいっていない」

◆「メキシコ国境に壁をつくり、費用はメキシコに払わせる」→「フェンスも使われる可能性がある

 国境の“壁”は万里の長城のような巨大な建造物をイメージした人も多かったが、フタを開けてみればいわゆる国境警備の域を出ない話になりそうだ。

 さらに対立候補だったヒラリー氏の私用メール問題追及もトーンダウン。選挙中は「大統領になったら特別検察官を任命して捜査させる」と意気込んでいたが、いまや「ヒラリーは非常に賢く、賢明。傷つけたくない」とかばう“大人の対応”を見せた。

 米国政治の研究で知られる中岡望・東洋英和女学院大学大学院客員教授の見方である。

「トランプ氏は『いい意味でも悪い意味でも、メディアで話題になることが大事だ』と語っていて、選挙中はかなり計算ずくで暴言を吐いていた。だからそれを鵜呑みにして大統領になったら過激な政策をやるだろうと考えるのが間違っている。

 しかも、冷静に政策を読み返せば滅茶苦茶でないものも多く、ワシントンの腐敗をなくす、ホワイトハウスの職員は退職後5年間、ロビイストになるのを禁止するなど、かなりの部分で既存の政治に対する不満をきちんと汲み上げるものでした」

 最初のイメージが悪いほど、現実路線に転じた時に好感度は大きくアップするわけだ。

※週刊ポスト2016年12月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン