しかし、冒頭のような避難の呼びかけにもかかわらず、沿岸部に住んでいながら避難しなかった人も多かった。

「テレビで沿岸の様子が映っていて、この程度なら大丈夫かなと思った」(植田町・52才男性)

「この揺れなら平気だろうと思って。そのまま会社に行ったらみんな出勤していました」(四倉町・50代男性)

 読売新聞の調べでは、今回の地震で避難指示、勧告、避難準備情報の対象となった約55万人のうち、実際に避難所に出向いたのは2.2%の約1万2000人のみ。この事実に、和田さんは警鐘を鳴らす。

「震災から5年8か月がたち、意識が落ちているといわざるを得ません。“なんとかなる”“大丈夫だ”という根拠のない自信から、避難しない人が被害に遭うことが多い。

 3.11では気象庁の予測よりも大きな津波が来ました。たとえ周囲の人が“大丈夫”といっても、それに引きずられてはいけません。冷静に、最悪の状況を想定して行動することが命を守ることになります」

“次”に備えるために、私たちは過去の経験を最大限に生かさなければならない。

※女性セブン2016年12月15日号

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