箕面観光ホテル、ホテルニュー塩原に共通するのは、充実の温泉施設はもちろんのことだが、多彩なエンターテインメントとディナーバイキングだろう。7980円と聞けば、つい安かろう悪かろうと想像してしまうが、クオリティ重視の姿勢を貫く。エンターテインメントも、無料歌謡ショーから縁日、ジャズの生演奏など多彩。
バイキング料理でも、スタート直前に料理の温度を1品ずつ測り、料理ごとに適した温度で提供できるよう気配りされている。また、グループ全体で食材を大量に仕入れるので、コスパの高いメニューが提供できる。
同グループでは、品川プリンスホテルの人気ビュッフェ「ハプナ」の元料理部長を料理顧問として招聘し、人気バイキングを作り上げた。食べきれず遊びきれず、また来ようとリピーターとなる。
このように、各チェーンとも趣向を凝らしたアイディア、サービス提供の努力を続けている。格安チェーンのターゲットは、三世代、ファミリーにカップルやグループ等、老若男女問わず。低廉な料金を実現したことで、旅行に縁遠かった人々の需要を喚起しているのだ。
こうした料金に納得して予約する利用者は決して完璧を求めてはいない。“それなり”を求めているのだ。多くの人々の温泉旅の機会を創出したせっかくのブーム。目新しいコンセプトやプランはもちろん嬉しいが、サービス合戦により疲弊することのないよう願いたい。
●写真提供/瀧澤信秋