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高齢者の運転免許証返納は本当に必要か?

「踏み間違い衝突防止アシスト」搭載の日産「ノート」

 10月28日に神奈川県横浜市で集団登校する小学生の列に軽トラックが突っ込み小学1年生の男の子が死亡、7人が怪我をした。さらに、11月12日には東京都立川市で、83才が運転する乗用車が災害医療センター内の敷地で暴走し2人が死亡した。

 このように、高齢者の運転操作による事故が多発している。高齢者人口の増加に伴い、高齢者が運転中に起こす事故が増えているのだ。

 運転は、認知~判断~操作の繰り返し。年齢を重ねるにつれ、視力や判断力、反射神経、筋力も落ちるわけだから、高齢ドライバーの事故はこれからますます増える可能性がある。

 今、問題になっている免許証の自主返納は、難しい問題だ。公共交通機関が整っている大都市などはまだしも、ちょっと地方へ行けばクルマは必需品。運転できなければ買い物にも病院にも行けない。また、ある調査によると、クルマに乗らなくなった途端に家に引きこもるようになり、認知症が一気に進むというデータもある。警察庁が厳しく免許証の返納を求めないのは、地方部のライフラインとしての免許証の必要性を感じているためだ。返納させるなら、代替移動手段を用意するなど、セットで考えていかなければならない。

 そこで期待されているのが、自動運転技術だ。完全自動運転車の登場はまだ先の話だが、運転者よりも先に危険を察知してブレーキをかけるような自動運転技術はすでに多くのクルマに採用されている。ペダルの踏み間違いに対応する機能がついている軽自動車もあり、運転に不安を感じたら、こうした機能のついたクルマへの買い替えをお勧めする。

 一時停止を無視するような運転者は、これまで反射神経と運のよさで事故を起こさずにきただけといってもいい。誰もがいつかは“高齢者”となる。反射神経が低下する前に、普段から交通ルールをしっかり守るくせをつけておくことが重要だ。

※女性セブン2016年12月22日号

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