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キュレーションサイトの記者 最底辺にピン留めされ続ける

パクリ・ライターは何がしたかったのか(写真:アフロ)

 他サイトから文章や写真を剽窃して「記事」と称するものを作成する「キュレーションサイト」が次々と閉鎖に追い込まれている。きっかけはDeNAが運営してた医療情報サイト「ウェルク」だ。フリーライター・神田憲行氏が考える。

 * * *
 12月7日に行われたDeNAの守安功社長と南場智子会長の記者会見は、わからないことだらけに終始したと感じた。とくに剽窃を指示するマニュアルについて、守安社長も担当執行役員の村田マリ氏も「知らなかった」という報告には驚愕した。違法行為を助長する文書が社内で誰かによって勝手に作られ、それでオペレーションされていたのだろうか。社長や役員以外に別の強力な指示系統が社内にあるのか。不気味な話である。

 記者会見以上に私がこの問題でわからないのは、パクリ記事を書いたライターたちだ。彼と彼女らはなにがしたかったのだろうか。

 記者会見によると外部「筆者」の「原稿料」は2000字で1000円程度だったという。大手どころの週刊誌の原稿料だいたい400字で1万円だから、50分の1である。週刊誌だけで食べていくのに大変なのに、これでは生活できないだろう。副収入、バイトと考えても非効率だ。2000字を「あいうえお」で埋めるのも苦痛である。

 ライターとしてのステップアップというのならもっとあり得ない。たとえばそういう人がどこかの編集部にいって、これまで書いてきた原稿としてそのような記事を出せば、「この人、パクリの人か」と編集者は思う。そんな危ない仕事をしてきた人に仕事は回せない。回す人がいるとすれば、同様に他の記事をパクって一文字0.5円とか、そんなギャラの仕事だ。ライター界の最底辺にピン留めされ続ける。

 そもそも医療情報の記事は取扱いが難しい。「医師」と名前の付く人でもその言説が全て科学的に正しいとは限らないことは、原発事故以降、みなさんも経験されたことはではないだろうか。

 医療記事とはいえないが、おっさん雑誌で私がよく書いていたのはバイアグラのような「一粒飲んだら元気」みたいな話だった。ひとつのエピソードを紹介しよう。

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