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ペットの寿命は医療技術向上で「30歳」になってもおかしくない

共に過ごせる時間が伸びるか

 現在、犬の死因も猫の死因も1位ががんである。しかし、医学は進み、日大動物病院を含め、全国10の施設では動物向けの放射線治療も実施される状況になっている。さらに、同病院には、“腎細胞がんのゴッドハンド”がいる。軟部外科・腫瘍外科獣医師の浅野和之教授は、犬の腎細胞がんの治療で、脚から挿入したカテーテルでがん付近の血流を止め、栄養不足にさせる「動脈管塞栓術」を実施し、成功させている。開腹しないため、弱った状態でも手術できる。

「人間と犬や猫の体の構造を比較し、最も適した手術方法を編み出してきました。当院の施術で治らなかったら、飼い主さんはきっと諦めてしまう。そうならないよう、日々技術を磨いています」(浅野教授)

 心臓病治療のゴッドハンドもいる。小型犬の死因では心不全が多いが、基本的に治らない病気とされてきた。

 しかし、神奈川県横浜市にあるJASMINEどうぶつ循環器病センターの上地正実氏は、小型犬の鶏卵大の心臓を切り開き、人の乳児の爪程度の大きさの弁とそれを支える筋を、大きさ5ミリの極小針で縫合することで根治させる。手術後1週間の生存率は9割に達する。

「今後、ペットの寿命は30歳になってもおかしくない」(動物評論家・三上昇氏)

 我が子とずっと一緒に暮らせることになれば、飼い主としてこんなに嬉しいことはない。

※週刊ポスト2016年12月23日号

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