水口病院は12月6日、A医師が由美さんを含めて12件の人工中絶手術を行った事実を認めた。A医師が指定医ではないことを認識していたとし、「認識不足、認識の甘さを痛感する」とコメントを出した。A医師が指定医ではない事実を知りながら放置し続けたわけで、患者軽視との批判は免れない。
中絶手術が原因で由美さんが死亡したかどうかの因果関係は不明だ。水口病院は「現時点では、本件事件と急死の因果関係はないものと考えている」と説明している。通常、由美さんのような突然死では、行政解剖をして死因を特定する。
今回も、都内の大学病院で行政解剖が行われたが、その結果は、遺族が満足するものではなかった。由美さんの直接の死因は「急性うっ血性心不全」──行政解剖の死体検案書には、そう書かれていた。
「心不全って、つまり心臓が止まったと書いてあるだけで、これでは何が本当の原因かわかりません。大学病院に問い合わせると、妻の解剖を担当した若い解剖医は、“急性心不全とは書けないから便宜的に『うっ血』と書いただけだ”と言うだけで、結局、妻がなぜ死んだかは不明のままです。しかも死体検案書には中絶手術を受けたという記載がなく、中絶と死亡の関連を検討した形跡もありません」
東京都では9日、指定医ではないにもかかわらず中絶手術を行っていた医師が同病院でA医師のほかに2人いたと明らかにした。これについて水口病院に質したが、「患者様への対応を優先していますので、回答のお時間が取れません」との理由で回答は得られなかった。
※女性セブン2017年1月1日号