「日本は社会の設計図そのものを書き替える必要があります。そもそも公園をつぶして保育所を作ること自体がおかしい話です。公園は公園にしておけばいいじゃないですか。それから、保育所を作ろうとしたら周りが『うるさい』と反対するのも、私はどうかしていると思います。反対しているかただって、オギャーって泣く子供だったんでしょう。むしろ子供がいなくなることで閑散として、子供の声が聞こえなくなる地域は、今後ますます衰退すると思います」

 未来を担う子供たちのことを第一に考える「チルドレン・ファースト」が何より必要との主張である。高齢化社会を迎えた今、介護も避けて通れない問題だ。3年前自らも肺がんの母親を看取った小池知事が言う。

「私は地域包括システムを利用して自宅で母を看取りました。肺がんだったけど、“死ぬまでたばこを吸いたい”と言っていた。最期、家に戻してたばこを一服ふかしてからあの世に逝きました。病院では難しいことでした。

 私の友達にも結構いますが、今は管理職でもかなりのかたが介護離職しています。すると収入がなくなって、働き手も減るから日本がシュリンク(縮小)していきます。解決が必要な問題です」

 介護も保育同様、「新しい社会の設計図」が求められると小池知事は指摘する。

「介護も保育と同じく規制が強く、充分な介護士を確保できていません。これも制度設計上のミスであり、東京都は必要な制度を作って予算をつけます。保育士が自分の子供を保育園に入れられず、復職できないなんて話もあります。保育士はむしろ優遇すべきであり、自分の子供を見て、人の子供も見られるような制度が求められます。保育や介護を担う人の生活を安定したものにする必要がありますね」

 東京と日本が抱える難問を解決するには、日本人の「意識」を変えることが第一と小池知事は強調する。

「日本人はみんな、我慢しすぎなんです。我慢して我慢して、対処法を見つけようとする。でも私は、“せーの”で一斉に社会を変えたほうが早いと思う。クールビズはまさしくそれを提唱して、一気に変わったわけですからね」

※女性セブン2017年1月1日号

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