芸能

笑点は笑いだけでなく「大人の教訓」を届けている

2017年も笑って生きたい(写真:アフロ)

 伝統的お笑い番組の「笑点」には、大人の知恵が詰まっていた。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が、2017年に生きる活力を学ぶ。

 * * *
 もし「笑点」(日本テレビ系)という番組がなかったら、日本は今よりも暗くギスギスした国になっていたことでしょう。毎週日曜日の夕方、明るくノンキな笑いを全国に振りまき続けて50年以上。2016年5月に春風亭昇太が6代目の司会者に就任してからも、メンバーが遠慮なく司会者をいじるなど、その面白さはさらにパワーアップしています。

「笑点」が届けてくれるのは、笑いだけではありません。回答やメンバー同士のやり取りに笑わされながら、大人にとって大切な教訓を学び取ることができます。最近の「笑点」から、いくつか例をあげてみましょう。

 11月27日放送の第2540話。「人はなぜ恋をするのか?」というお題に、恋とは縁が薄そうなメンバーが挑みます。「ほかにやることがないから」(三遊亭好楽)や「30年後が見えないから」(三遊亭圓楽)といった膝を打つ回答が続出する中、林家たい平は「そういう難しいことは、池上彰に聞いてください」と答えました。

 私たちは日頃、つい何でもかんでも自分で抱え込んでしまいがち。よくわからないことに対して、わかったような顔をすることもしばしばあります。わからないことは「わからない」と白状する勇気を持ち、苦手なことはそれを得意とする人に任せましょう。それが余計なストレスをためずに、穏やかな気持ちで日々を過ごす必須条件です。

 12月11日放送の第2542話。司会の春風亭昇太が「世の中、生きていると納得できないことってありますよね。腑に落ちない人になってください。私が『どうしたの?』と聞きますから、そこでひと言」とお題を出します。秀逸だったのが、三遊亭小遊三の「俺は福山雅治に似ているけど、福山雅治は俺に似てないんだよ」という回答。

 主観と客観の違いを認識する大切さ、そして、主観と客観に違いがあるからこそ人生は楽しいということを教えてくれます。本人は自分を「デキるビジネスマン」だと思っていても、たいていの場合、はたから見るとそうでもありません。「部下に慕われている上司」しかり、「男を惑わす魔性の女」しかり。しかし、客観的には間違った認識だとしても、本人にとっては、そう思い込むことが励みになったり支えになったりします。大人が強く生きていく上で、客観性を無視した勘違いは大いに役に立ってくれると言えるでしょう。

関連記事

トピックス

『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
元乃木坂46の伊藤万理華の演技に注目が集まっている(公式HPより)
《難役が高評価》異例のNHK総合W出演、なぜ元乃木坂・伊藤万理華は重用されるのか 将来的には朝ドラ起用の可能性も
NEWSポストセブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン