林家木久扇一覧

【林家木久扇】に関するニュースを集めたページです。

「バカになるほど愛される」という人生の本質を見つけた木久扇
林家木久扇が語る“バカ”の利点「色々許される。自分も楽。周りも助かる」
“おバカキャラ”で『笑点』の大喜利コーナーを沸かせる落語家・林家木久扇(84)。「バカになるほど愛される」という人生の本質を見つけた木久扇が、その生き方をまとめたエッセイ『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)を3月に上梓した。それを記念し、木久扇の「バカの魅力」を知る旧知の俳優でタレントの毒蝮三太夫(85)との対談が実現。偉大なるバカの先達から人生が楽になる秘訣まで、存分に語り合った。【全3回の第3回。第1回から読む】 * * *毒蝮:木久ちゃんの本を読んで、バカになることは楽しく生きるスタートなんだとわかったよ。漫画家になろうとして清水崑先生の書生になったら、いつの間にか落語家になっちゃった。バカな失敗もいっぱいしてる。木久扇:バカって得なんですよ。たとえばですけど、落語会が終わると、主催者が出演者に花束をくれたりする。でも、ぼくは係の人に「花じゃなくて、お米をわたしてください」って頼むんです。ひとりお米をもらっているとウケるんです。しかも食べられる。毒蝮:普通だったら「お米なんてあげたら失礼なんじゃないかな」って心配になる。だけど、木久ちゃんなら大丈夫だ。木久扇:「あの人ならしょうがない」と思ってもらえる。バカになるといろんなことが許されます。自分も楽だし、まわりだって助かる。毒蝮:バカがいると、ホッとするしね。「あれでいいんだ」って、世の中に希望が持てる。バカは世の為人の為でもあるわけだ。だけど木久ちゃんの言うバカは、本当のバカにはできないよね。木久ちゃんだって、多少はバカかもしれないけど、全部はバカじゃない。木久扇:最近は、どんどんバカのほうに移行しつつありますけどね。はっと気がついて、あわてて戻ったりしてます。毒蝮:俺たちもそれなりの年齢になったけど、木久ちゃんは、引き際なんて考えたことある?木久扇:ぼくは仕事の依頼があると、どんどん予定を入れちゃう。約束すると「そこまでは生きなきゃ」と思うんです。体が動く限りは、それを続けていくのかな。毒蝮:俺もそうだな。カミさんは「いいかげんリタイアして、のんびりすれば」って言うけど、必要とされているうちはがんばりたいからね。木久扇:世間では「終活」って言葉が流行ってますけど、せっかく生きてるのに、死ぬ時のことを考えて準備をするなんてもったいない。ぼくはそう思うんですよね。「余生」って言葉も、ぜんぜんピンときません。毒蝮:余生はピンとこなくても、寄席はしょっちゅう出てるけどね。木久扇:いい締めだ!(了。第1回から読む)【聞き手・構成】石原壮一郎(いしはら・そういちろう)/1963年、三重県生まれ。コラムニスト。『大人養成講座』『大人力検定』など著書多数。林家木久扇著『バカのすすめ』の構成を担当した。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.04.07 07:00
週刊ポスト
様々な「バカ」について話した
毒蝮×木久扇対談「タチが悪いのは自分を上等に見せようとする利口バカ」
“おバカキャラ”で『笑点』の大喜利コーナーを沸かせる落語家・林家木久扇(84)。「バカになるほど愛される」という人生の本質を見つけた木久扇が、その生き方をまとめたエッセイ『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)を3月に上梓した。それを記念し、木久扇の「バカの魅力」を知る旧知の俳優でタレントの毒蝮三太夫(85)との対談が実現。偉大なるバカの先達から人生が楽になる秘訣まで、存分に語り合った。【全3回の第2回。第1回から読む】 * * *毒蝮:立川談志と木久ちゃんは、噺家としてぜんぜんタイプが違うけど、なんでウマが合ったのか、そこが不思議だね。木久扇:ぼくが前座だった頃、夏の日に上野の鈴本演芸場の楽屋に行ったら、談志さんがいたんです。当時はまだ二つ目の柳家小ゑんさんでした。毒蝮:俺の結婚式の司会をしてくれた頃だ。木久扇:高座から降りてきた談志さんが、「暑いな。こういう日は高座に上がったあとに風呂に行くといいんだよな」って言ってる。ぼくは自分が使うつもりでお風呂道具を一式持ってたんです。それを「どうぞ」って渡したら、「おまえすげえな!」って喜んでくれて。それからキャバレーで仕事の時とか、鞄持ちで連れて行ってくれました。毒蝮:風呂道具の話は初めて聞いた。それは気が利くよ。気がキクちゃんだ。あいつの高座も好きだったの?木久扇:談志さんは、いつも難しい噺ばっかりやるんですよね。上手いんだろうけど、あんまりよく聞いてませんでした。ぼくは「山のアナアナ」の三遊亭圓歌さんや、先代の林家三平さんみたいなわかりやすい噺家が好きなんです。毒蝮:そりゃいいや。俺もあいつが二つ目の頃、当時やってた劇団の仲間と5人で海水浴に行った帰りに、横浜の相鉄演芸場に談志が出てるってんで、みんなで寄ったことがある。タダで入れてくれたんだけど、いちばん前で並んで座って、そのときも難しい噺をやってたな。こっちは海水浴帰りだから、みんなグーグー寝ちゃったんだよね。あとから「お前ら、いいかげんにしろ」って怒ってたけど、「寝られるぐらいいい話だったんだよ」って言ってやった。木久扇:落語の話は、談志さんとはした覚えがないですね。「お前はバカだから」って言われて。独演会のときも、開演前に差し入れだけして噺は聞かずに帰ってました。毒蝮:だけど、談志はそんな木久ちゃんが大好きだった。木久ちゃんだって、談志が好きだったわけだよね。木久扇:ぼくは、世間の物差しで測れない人が大好きなんです。横山やすしさんとも仲良しでした。人が思っていることじゃなくて、どっか違うことをやるような。毒蝮:談志も木久ちゃんも、自分にないものを持っている同士で惹かれ合ったんだろうね。俺もそうだったのかな。仲は良かったけど、芸談は一度もしたことない。木久扇:そういうのは得意な方や好きな方が、ほかにたくさんいらっしゃいますから。毒蝮:そうなんだよ。タチが悪いのは、自分を上等に見せようとする利口バカだ。バカの道を堂々と歩んでいる木久ちゃんと比べると、そいつらの薄っぺらさが際立つね。木久扇:噺家の先輩で尊敬すべきバカといえば、やっぱり先代の林家三平さんですね。バーで飲んでるときも、ずっとあの調子で、「たいへんなんスから、もう」ってやってる。怒ったのは見たことない。毒蝮:歌手の戸川昌子さんがやってた「青い部屋」ってバーが青山にあってさ。談志が俺を連れて行ったの。そしたらカウンターで俳優の森雅之さんがひとりで飲んでた。『羅生門』や『浮雲』に出てた二枚目の名優だ。いい格好だよね。そこに三平さんがすっと寄って行って、「こんばんは、加山雄三です」って。木久扇:森さんは困ったでしょうね。どう反応していいかわからない。毒蝮:でも三平さんは、また帰りがけに「どうもすいません、加山雄三です」ってやってた。バカを演じ切る人だったね。木久扇:談志さんが毎晩通ってた銀座の「美弥」でも、いろんな方にお会いしました。毒蝮:別名「夜の連絡事務所」ね。芸人もいっぱい来たし、俳優や政治家もいた。紀伊國屋書店の創業者の田辺茂一さんには、ずいぶんごちそうしてもらったな。いつもくだらねえダジャレ言ってた。北陸の温泉でマッサージ呼んだら、端ばっかり揉んでる。「肩もやってくれ」と言ったら「ここは肩揉まず(片山津)です」とか、そういうの。木久扇:月の家円鏡さん(のちの橘家圓蔵)と銀座のクラブに行ったら、田辺さんがいらして同じ席で飲んだんです。田辺さんがダジャレばっかり言ってるもんだから、円鏡さんが頭に来て、田辺さんがよそ見をしてるスキに、レミーマルタンかなんか高いお酒が入ったグラスを取って、横にあった植木の鉢にぶちまけちゃった。毒蝮:植木を酔っぱらわせちゃったわけだ。俺は「美弥」で、円鏡さんが田辺さんの頭から水割りをぶちまけて、びしょびしょにしてる場面を目撃したことがある。田辺さんはニコニコしながら「気が済みましたか」って言ってた。木久扇:蝮さんやぼくがお付き合いしてきた噺家さんたちは、みんなハチャメチャでしたね。毒蝮:花見に行ったら、誰かが酒の四合瓶にしょんべんして、それを別のヤツが間違えて飲んじゃった。「誰だこんなとこにしょんべん置いたのは!」って怒ったら、入れたやつが「俺も飲むからいいじゃないか」ってグーっと飲んじゃった。「これでおあいこだ」なんて言ってる。そんな連中だったからね。木久扇:噺家の世界も、今は学校の教室みたいになっちゃった。入りたての新人でも、ソツがなくて、失敗しない。もっとバカにならないと。毒蝮:バカは迷惑なところもあるんだけど、すごく魅力的でもあるよね。木久扇:この頃の若い人は、バカにならないようにしよう、人からバカにされないようにしようと一生懸命になってるように見えます。それだと自分もつらくなるし、人も寄ってこない。毎日がつまんなくなっちゃう。(第3回につづく)【聞き手・構成】石原壮一郎(いしはら・そういちろう)/1963年、三重県生まれ。コラムニスト。『大人養成講座』『大人力検定』など著書多数。林家木久扇著『バカのすすめ』の構成を担当した。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.04.06 07:00
週刊ポスト
林家木久扇と旧知の毒蝮三太夫が対談
林家木久扇×毒蝮三太夫対談「今日は“談志被害者の集い”でもある」
“おバカキャラ”で『笑点』の大喜利コーナーを沸かせる落語家・林家木久扇(84)。「バカになるほど愛される」という人生の本質を見つけた木久扇が、その生き方をまとめたエッセイ『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)を3月に上梓した。それを記念し、木久扇の「バカの魅力」を知る旧知の俳優でタレントの毒蝮三太夫(85)との対談が実現。偉大なるバカの先達から人生が楽になる秘訣まで、存分に語り合った。【全3回の第1回】 * * *木久扇:ご無沙汰してます。お元気そうで。毒蝮:お互いに、生きてるうちにまた会えてよかったよ。去年の5月に足を折ったって聞いたけど。木久扇:だいぶよくなりましたけど、『笑点』の大喜利や高座は、まだ椅子でやらせてもらってます。正座も、15分ぐらいはできるんですけどね。毒蝮:無理しなくていいよ。『笑点』も見たけど、座布団が7~8枚積んであるから、椅子に座ってるのが目立たないね。木久扇:うまく隠れてるんです。だから、座布団を減らすわけにいかない。高座も椅子で出てますが、お客さんはあたたかく許してくれるんです。「大腿骨を折ったんですよ。“だいたい”このへんなんですけどね」なんて言うとウケるし。毒蝮:それでいいんだよ。とくに高齢者になると、つい強がって元気なフリをしたくなるけど、見てる人に痛々しさを感じさせたら何にもならない。弱みもそのまま見せたほうが、見るほうだって楽な気持ちで見られる。木久ちゃんは、椅子に座る姿で高齢者のあり方を教えてくれてるね。木久扇:そんなたいそうなことは考えてないんですが。ただ、噺家の中には「正座ができないなら高座には上がらない」とおっしゃる方もいるでしょうね。“弱み”を抵抗なく見せられるのは、長年ずっと「おバカキャラ」をやってきたぼくの強みかもしれません。毒蝮:今日は「談志被害者の集い」でもある。俺たちはふたりとも、立川談志のせいで人生を大きく変えられた。木久扇:まったくですね。とんでもない方でしたよ。どれだけ感謝しても感謝しきれません。毒蝮:俺は「石井伊吉」という本名で役者をやってて、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』に出てたのに、あいつに言われて『笑点』で座布団を運ぶことになった。「毒蝮三太夫」なんて名前を名乗ることになったのも、そのせいだ。木久扇:ぼくも前座の頃から談志さんにかわいがってもらいました。『笑点』に引っ張ってくださったのも談志さん。大喜利メンバーになったのは、談志さんが選挙に出るからと司会を降りた次の週からでした。その時、「木久蔵は与太郎でやってみな」とアドバイスされたんです。毒蝮:「与太郎」と言えば、落語の世界ではバカの代名詞だ。木久扇:談志さんは大喜利を長屋に見立ててました。歌丸さんは小言幸兵衛、小圓遊さんはキザな若旦那……。私もそれから50年以上、与太郎をやり続けています。毒蝮:俺も「談志がいないなら出てもしょうがない」って同時に番組を降りたから、木久ちゃんとは『笑点』では入れ替わりなんだよな。若手大喜利で座布団を引っぺがしたことはあったけど。木久扇:歌丸さんが司会だった最後の頃に、スペシャル版で蝮さんが座布団運びをしてくださったこともありました。最後のほうは面倒くさいからって、座布団を投げてましたけど。毒蝮:ひどい座布団運びだね。運んでない。木久扇:蝮さんと知り合ったのは、ぼくが『笑点』に出るだいぶ前でしたよね。それも談志さんの絡みでした。毒蝮:そうだったな。噺家仲間でクルマ2台に分乗して、村山貯水池(多摩湖)のほうに鴨料理を食べに行ったんだよな。俺は噺家じゃないんだけど、あの頃は、よくつるんで遊んでた。木久扇:談志さんはカメラに凝ってて、写真をたくさん撮ってくれたんですよね。あとから「これは木久蔵の分」って写真をわたされて、「ありがとうございます」って言ったら、「1枚17円だから7枚で119円」って。毒蝮:焼き増し代を取られたんだ。あいつが勝手に撮ったのに。木久扇:やさしかったんですけど、しっかりした人でしたね。いつも経済が付いて回っていた。(第2回につづく)【聞き手・構成】石原壮一郎(いしはら・そういちろう)/1963年、三重県生まれ。コラムニスト。『大人養成講座』『大人力検定』など著書多数。林家木久扇著『バカのすすめ』の構成を担当した。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.04.05 07:00
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! プーチンを暴走させた日本人ほか
「週刊ポスト」本日発売! プーチンを暴走させた日本人ほか
 3月28日発売の「週刊ポスト」は、世界の安全保障だけでなく、各国の経済や政治にも影響を与え始めたウクライナ戦争の行方と、われわれ市民の自衛策を徹底検証する春の合併特大号。“千両役者”ゼレンスキー大統領を支える個性的な側近たちや、プーチン大統領を増長させた日本人と「13人の美女」など、新聞・テレビでは見えてこない戦争の裏側を抉る。さらに、物価高に年金カットの打撃を受ける国民が財産と生活を守るマネー術を特集。プロ野球、芸能、コロナの最新情報も満載です。そして、今度は北陸で不気味な地震の予兆が観測された――。今週の見どころ読みどころ◆<緊急警鐘!>「4月12日までに北陸で巨大地震」の兆候あり3月16日に震度6強を記録した福島県沖地震を発生7時間前に的中させた本誌でおなじみの「MEGA地震予測」が、今度は北陸で大地震の予兆があると警告している。本誌読者はご存じの方も多いはずだが、同予測は伝統的な地震学者たちの予測とは一線を画し、国土地理院のGPSデータとAIを駆使して地震発生を予知する。その最新予測では、石川県、福井県、岐阜県の一部で4月12日までに巨大地震が起きるおそれが高まっている。◆プーチンにまんまと騙された10人の「日本人協力者」プーチン大統領のウクライナ侵攻は、今年始まったものではない。2014年にクリミア半島を武力で強奪した際、世界は厳しく非難してロシアに制裁をかけたが、日本では国のトップたちが率先して、その後もプーチン氏に協力し続けてきた。その筆頭は、クリミア侵攻後に「ウラジーミル、あなたと一緒に力の限り、日本とロシアの関係を前進させる覚悟です」とおべんちゃらを並べていた安倍晋三・元総理だが、それ以外にもプーチン氏に“西側の協調など日本をつつけばすぐに崩せる”と勘違いさせた“戦犯”がいる。◆「大統領の精子を全ロシア女性に!」ほか皇帝プーチンが愛した「13人の美女」ロシア国内でプーチン氏の権勢と人気を支えたのは、皇帝お気に入りの美女たちだった。愛人や元妻、報道官に専属カメラマンなど多士済々だが、与党下院議員のなかには、「プーチン大統領の精子をすべてのロシア人女性に郵送し、妊娠させましょう」と議会でぶちあげたツワモノまでいた。◆<スクープ撮>“恋多き女”TBS出水麻衣アナが深夜の密会デート数々のVIPと浮名を流してきたTBSの出水アナが、3月初旬、東京・赤坂の高級すし店で目撃された。鈴木亮平似のイケメンと深夜23時過ぎまでディナーを楽しんだが、当時はまだ「まん防」のさなか。TBSは取材に対し、「適切ではなかった。本人は反省している」と答えた。◆ロッテ佐々木朗希「元・相棒捕手」が告白「恐怖を感じる速球だった」高校時代から160キロ台の速球を投げていた球界の至宝・佐々木が、2年間の体作りを経て3年目の今年、いよいよローテーションの柱としてフル回転する。新人時代にパートナーを務めた細川亨氏は、「体は細かったが、当時から速球は恐怖すら感じるものだった」と、その素質の高さを証言した。◆<祝・開幕グラビア>新庄ビッグボスのド派手ファッション・ショーついに「フルスペック」のプロ野球が帰ってきた! 今年一番の話題の人・新庄ビッグボスの雄姿をカラーグラビアで総覧する。現役時代のスパイダーマンや羽織袴、カウンタックや三輪バイクで登場するド派手パフォーマンスから、笑いと涙のファンサービスの様子まで、新庄劇場の見どころを余すところなく集めた。◆物価高も「いいインフレ」にすればいいじゃないか!ガソリン、食料から衣料まで、値上げラッシュが生活を脅かし始めた。さらに4月からは年金カットの追い討ちだ。しかし、30年間のデフレに苦しんできた日本経済にとって、インフレは必ずしも悪いことばかりではない。これを「いいインフレ」にするための経済政策、庶民はどうやって財産を守り、増やせばいいか、専門家が力を合わせて検証した。◆看護師も常駐する「赤坂議員宿舎」が家賃1割値下げに怒り心頭!庶民が物価高に苦しむなか、なんと都心のど真ん中にある議員宿舎の家賃が1割も値下げされるという。事務局は「築15年になったから」とシレッと言うが、周辺の民間マンションは値上げラッシュで、同じくらいの築年、面積なら家賃50万円はするところ、値下げで12万円あまりになるという。食堂や会議室、看護師常駐という至れり尽くせりのタワマンは、言うまでもなく国民の資産だ。しかし、役得におぼれる与党も野党も国会で追及しない。◆<袋とじ特別付録>虎の子資産を増やす2022投資カレンダー投資には様々な知識が必要だが、素人でも簡単・高確率で資産を増やすには「タイミング」を知ることが一番だ。例えば株価は、配当や決算発表などの季節要因で規則的に上下する傾向があり、それを知っていれば高確率で上がるか下がるか判断できる。美人アナリスト・馬渕磨理子氏監修の「いつ買って、いつ売ればいいか」をまとめた投資カレンダーを持っていれば、今年1年、投資に迷うことなし。◆ワクチン直後に息子を亡くした父の慟哭「救済制度で門前払いされた」健康で既往歴もない30歳の男性が、コロナワクチン接種の3日後に急死した。本誌記者に電話してきた父親は、「ワクチンに反対ではない。ただ、息子の無念を晴らしたい」と語った。ワクチン関連死を救済する補償制度があるはずなのに、いまだ適用事例はひとつもない。この父親も、補償を申請に行くと、「病理検査の結果が出るまで無理」と門前払いされたという。結果が出るまでには、長くて2年も待たなければならない。こんな制度を「救済」と呼べるのか。◆大阪府議たちが我慢の限界「吉村知事のウソにはもうついていけへん」コロナ対応で名を上げ、そのコロナ対応で前言撤回や失政が続く吉村知事は、それでも支持率の高さを頼みに平気な顔だ。しかし、大阪府議たちは党を超えて知事にNOを突き付け始めた。大阪の独自基準を無視して「まん防」解除を決めたと同時に、3月末にはドバイ万博の「視察」に出かけてしまった。さらに、本来は業者がやるべきカジノ用地の土壌改良を府の予算で肩代わりすることも決めた。府民の命や浄財より、万博やカジノの巨大利権が大事なのかと疑われるのも仕方ない。◆<スペシャル対談>林家木久扇vs毒蝮三太夫「おバカは世の為人の為」齢84まで“与太郎”キャラで愛されてきた林家木久扇が『バカのすすめ』を上梓した。85歳になる旧友・毒蝮三太夫と「おバカ」についてマジメに語り合った。木久扇が「バカは許されるし、まわりも助かる」と自己弁護すれば、毒蝮は「バカは迷惑だけど魅力的」と応じた。◆野田聖子「田中真紀子さんに“あんたはバカ”と言われても」女性総理候補の連続インタビュー第三弾は、昨年の自民党総裁選で奮闘した野田聖子・子ども政策担当相。かつて自社連立には反対し、郵政民営化の際には「造反組」になった。その後も安倍、麻生、菅といった“コワモテ路線”とは距離を置き続けた。自社連立の際には、賛成に回った同僚の田中真紀子氏に「あんたもバカね」と言われたと明かした。※全国の書店、コンビニで絶賛発売中!
2022.03.28 07:00
NEWSポストセブン
林家木久扇(撮影・小倉雄一郎)
林家木久扇が見た「日曜夕方の伝説司会者たち」、その意外な素顔
 国民的長寿番組「笑点」(日本テレビ系)で、おバカキャラの“黄色い人”として大人気の林家木久扇さん。今日も日本じゅうに、バカの素晴らしさと底力を見せつけている。最新刊『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)が話題の木久扇さんに、座布団の上から見た歴代司会者の知られざる素顔を語ってもらった。(構成・石原壮一郎) * * * おバカのスーパースター林家木久扇です。おかげさまで、街を歩くと小さな子どもからも「あ、おバカの人だ」と指をさしてもらえます。こんなありがたいことはありません。 ぼくが「バカ」を看板にできているのは、ひとえに「笑点」のおかげです。大喜利メンバーになって今年で足かけ54年目。番組や寄席でよくネタにしていますが、その間に5人の司会者を送りました。そのたびに香典代が3万円ずつ……。感謝の気持ちを込めて、偉大な5人の歴代司会者と今の司会者の春風亭昇太さんについてお話しましょう。●初代司会者・立川談志さん(1966年5月~1966年11月) 初代司会者は、番組の生みの親でもある七代目立川談志さん。当時、落語が何となく敷居が高い芸になりかけていました。談志さんには「どうにかしないと、このままじゃ落語が滅びてしまう」という思いがあったんですね。それで「笑点」を立ち上げたんです。 談志さんが心配したように、もし「笑点」がなかったら、今ごろ落語はどうなっていたことか。先見の明がある人でしたね。まさに天才だったし、努力家でもありました。「笑点」の大喜利は、牢名主のイメージなんです。時代劇を見てると、牢名主は新人の畳を取り上げて、それを重ねて高いところで威張ってる。そこからの発想です。談志さんはさらに、大喜利という場を落語の世界の長屋に見立てた。司会者は大家さんで、メンバーが店子。歌丸さんが小言幸兵衛、小園遊さんはキザな若旦那、こん平さんは田舎から出てきた権助と、それぞれ役を割り振りました。 ぼくが大喜利メンバーになったのは、談志さんが衆議院選挙に立候補するからと司会を降りた次の週からです。ただ、その前から若手大喜利に出してもらったり、同じプロダクションでアドバイスを受けたりしていました。「笑点」のスタッフにぼくを推薦してくれたのも談志さんです。レギュラーメンバーになってから、談志さんに「木久蔵は与太郎だよね。その線で行ってみな」と言われました。そこでぼくの進む道が決まったんです。 味方も敵も多い人でしたが、すごい人であるのは間違いありません。ぼくや「笑点」にとってはもちろん、落語界にとっても大恩人です。●二代目司会者・前田武彦さん(1969年11月~1970年12月) 立川談志さんのあとを受けて二代目司会者になったのが、放送作家から売れっ子タレントになった前田武彦さん。談志さんの推薦だったそうです。同じ時期に「巨泉×前竹のゲバゲバ90分!」や「夜のヒットスタジオ」にも出てらっしゃいました。 司会がマエタケさんになったのと同時に、ぼくも大喜利のレギュラーになったんですけど、最初は右も左もわからず、あんまりおもしろい答も言えませんでした。「木久蔵は降ろしたほうがいい」という声もあったようです。「自分が好きなものをネタにするといいんじゃないか」という先代の円楽さんの助言もあって、半ば破れかぶれで、鞍馬天狗の声色で「杉作、ニホンの夜明けは近い!」と言い始めました。それが大ウケしたんです。 マエタケさんは器用で頭の回転も速い方でしたが、発想やリズムがバラエティ番組っぽくて、落語の世界のそれとはどうしても違いがある。メンバーにはちょっと不満があったようです。お互いにやりづらかったんじゃないでしょうか。でも、鞍馬天狗のネタを拾って伸ばしてくれたのは、マエタケさんです。とっても感謝してます。 マエタケさん時代に生まれたのが、大喜利メンバーのカラフルな着物と、今も流れているオープニングテーマです。オープニングテーマは中村八大さんの作曲で、今はメロディしか流れていませんが、歌詞もあるんです。「ゲラゲラ笑って見るテレビ」で始まるんですけど、作詞したのはマエタケさんで、ご自分で歌っていました。●三代目司会者・三波伸介さん(1970年12月~1982年12月) 50代以上の方にとっての「笑点」は、三波さんが司会のときのイメージが強いかもしれませんね。歴代最高視聴率の40.5%(ニールセン調べ、関東地区)を記録したのも、三波さんが司会をなさっていた1973年のことです。 あの方は、ぼくたち大喜利メンバーの個性を引き出しつつ、全体を楽しく盛り上げる手綱さばきが見事でした。大衆演劇の出身でコメディアンですから、いろんな笑いの寸法が頭に入ってるんですね。歌丸さんと小園遊さんの罵り合いや、ぼくの「いやんばか~ん」が番組の名物になったのも、三波さんが上手にリードしてくださったおかげです。 若い頃に浅香光代さんの一座にいたこともあって、演劇にはめっぽう詳しかったですね。番組の特番で歌舞伎の『勧進帳』をやったときに、ひとりずつ細かい動きを振りつけてくれたのはビックリしました。セリフから見得の切り方から、全部頭に入っているんです。三波さんのお得意のフレーズじゃないけど、「ビックリしたなあ、もう」でしたね。 映画のこともよくご存じで、モノマネも得意でした。ぼくが大喜利で昔の映画スターのモノマネをやると、掛け合いでモノマネをかぶせてくれるんです。「丹下左膳」の大河内傅次郎さんの口調で「シェイはタンゲ、ナはシャゼン」なんて言ったりして。「笑点」が人気番組としてお茶の間に定着したのは、三波さんのおかげです。もっとたくさん、古い映画の話とかしたかったですね。●四代目司会者・三遊亭圓楽さん(1983年1月~2006年5月) 三波さんの次が、先代の五代目三遊亭圓楽さんです。番組が始まったときからの大喜利メンバーでしたが、「落語に専念したい」と言って、1977年に番組を一回「卒業」しました。三波さんが急死して、司会者として戻ってきてくれたんです。 本人は「最初は2回だけのピンチヒッターって約束だったんだ」と言ってましたが、それから23年にわたって司会を務めました。今のところの最長記録です。圓楽さんに戻ってきてもらうのは、大喜利メンバーの願いでもありました。 圓楽さんは「落語界をどうにかしなければいけない」と、いつも考え続けていました。幕末の志士みたいに熱い想いを持った人でしたね。「笑点」を降りたちょっとあとに、師匠である六代目三遊亭圓生師匠とともに落語協会を飛び出したんですけど、それから1年ちょっとで圓生師匠が亡くなりました。 今さら協会に戻れないから自分の一派を作って、弟子たちに修行させる場が必要だからと、大きな借金を背負って「若竹」という寄席も建てたんです。結局「若竹」は4年半で閉めることになりましたが、番組の中では長くネタになっていましたね。 司会を長く続けたのも立派ですけど、「笑点」におけるあの方の最大の功績は、六代目三遊亭円楽さんと三遊亭好楽さんをメンバーに入れたことですね。ふたりが長くメンバーを続けているってことは、圓楽さんの見る目が確かだったってことです。それにしても、いくら番組の最初から関わっているとはいえ、出演者が人事をいじれたというのがすごいですよね。●五代目司会者・桂歌丸さん(2006年5月~2016年5月) 桂歌丸さんも、番組が始まったときからの大喜利メンバーです。2018年にお亡くなりになりましたが、その後も「永世名誉司会」の肩書を背負ってらっしゃいます。 あの方は「横浜バカ」でしたね。玉置宏さんから引き継いで「横浜にぎわい座」の館長をやったりとか、生まれ育った横浜をとても大事にしていました。にぎわい座でぼくと木久蔵の親子会をやったときは、とても喜んでくれましたね。会話に「横浜」って単語を入れるだけで、ニコッと笑うんです。「横浜のシウマイ弁当おいしいですよね」なんて言ったら、「そうそうそうそう!」ってすごく嬉しそうな顔をして。 あまり表に出していませんでしたけど、ぼくと同じ「チャンバラバカ」でもあったんです。このあいだ歌丸さんのご長女が、ぼくのところにチャンバラ映画のVHSのビデオを段ボールに3箱くださったんです。なかには封を切っていないのもありました。いつか見ようと思って買ってたんですね。 落語に対する情熱は言わずもがなで、古典落語を一生懸命に勉強して、自分だけの「歌丸節」を確立したのはすごいことです。ただ、若い時分から病気をたくさん抱えていて、お酒は飲まなかったんですけど、薬をたくさん飲んでいました。 以前は番組収録後にお蕎麦屋さんで打ち上げをやっていたんですが、そこには参加しませんでしたね。付き合いが悪いわけではなく、身体をかばっていたんだと思います。●六代目司会者・春風亭昇太さん(2016年5月~現在) 歌丸さんに代わって春風亭昇太さんが司会者になって、もう6年近くになるんですね。早いもんです。次は誰を司会にするのがいいかって話のときに、歌丸さんが「番組を若返らせるには昇太さんがいいよ」と推薦したらしいです。 昇太さんの司会は、とってもやりやすいですね。手を挙げて目が合うと、「はい、木久扇さん」ってパッと指される。歌丸さんは「木久ちゃん3回」「好楽さん2回」とかって、きちっと計算しながら指してました。でも昇太さんは、自然な流れでどんどん指しちゃう。いっぱい答えさせて、あとは編集に任せるんですね。答えるこっちは伸び伸びとやれます。 今年の初めから、新メンバーの桂宮治さんが入りました。彼のおかげで「笑点」に新しい笑いの波がやってきて、また次の時代がスタートしたと感じています。ぼくもまだまだ負けてはいられません。おバカパワーを炸裂させて、これからもがんばります!【プロフィール】林家木久扇(はやしや・きくおう)/1937(昭和12)年、東京日本橋生まれ。落語家、漫画家、実業家。1956年、都立中野工業高等学校(食品化学科)卒業後、食品会社を経て、漫画家・清水崑の書生となる。1960年、三代目桂三木助に入門。翌年、三木助没後に八代目林家正蔵門下へ移り、林家木久蔵の名を授かる。1969年、日本テレビ「笑点」のレギュラーメンバーに。1973年、林家木久蔵のまま真打ち昇進。1982年、横山やすしらと「全国ラーメン党」を結成。「おバカキャラ」で老若男女に愛され、落語、漫画、イラスト、作詞、ラーメンの販売など、常識の枠を超えて幅広く活躍。『昭和下町人情ばなし』『イライラしたら豆を買いなさい』『木久扇のチャンバラ大好き人生』など著書多数。最新刊は『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)。波瀾万丈なバカ色の人生を振り返りつつ、バカであることの大切さ、バカの強さ、愛されるバカになる方法を伝授する。「生きづらさ」を吹き飛ばしてくれる一冊!
2022.03.20 16:00
NEWSポストセブン
坂本九さんが愛する2人の娘宛てに書いた「21世紀の年賀状」
坂本九さんから15年後に届いた奇跡の1枚ほか 著名人たちの年賀状
 新年の挨拶の風習は古くから日本の文化として根付き、平安時代にはすでに年賀の挨拶例文が書き残されている。はがきで年賀状を送り合う習慣が急速に広まったのは、1873(明治6)年に日本最初の郵便はがきが発行されたのがきっかけとされる。1900(同33)年に私製はがきが認可されると絵はがきがブームとなり、私製年賀状も増加。年賀状文化は国民的行事として発展していった。 近年はインターネットや携帯電話、メールやSNSの普及に伴い、年賀状離れが加速していた。だが、コロナ禍で親族や知人と会えない状況が続くと、年賀状の価値を見直す人も増えてきている。大切な人やお世話になった人に送る年賀状には人柄、思いがにじむ。こんな時代だからこそ、心に響く年賀状を送りたい。 新春の幸せを運ぶ、あの有名人たちの年賀状を紹介しよう。●坂本九(1941-1985) 御巣鷹山の飛行機事故で亡くなる4か月前の1985年4月、愛する2人の娘、花子さんと舞子さん宛てに「21世紀の年賀状」を書いた。つくば万博の「ポストカプセル2001」(21世紀に年賀状を送る企画)に投函され、15年後に届いた奇跡の1枚。●田中好子(1956~2011) 墨彩画の師匠は片岡鶴太郎氏。民芸店で購入した干支の動物の置物をモチーフに絵を描き、自作の挨拶文を添えた年賀状を作成していた。●武田双雲(書道家) 2022年の年賀状に選んだ言葉は「飛翔」。清々しさと躍動感があふれる青色の大きな2文字から、新年に抱く希望が伝わってくる。●林家木久扇(落語家)「毎年、干支にちなんだ漫画を描き、楽しい年賀状を親しい方などに差し上げて喜ばれています」(木久扇)●立川志の輔(落語家) 緊急事態宣言下で2021年に上演できなかった演目「大河への道」を2022年1月からの公演でお披露目できる嬉しさ、意気込みがあふれている。●岩合光昭(動物写真家) 動物写真家の岩合氏が撮影したトラの写真を使った年賀状には、「トラのように、美しく強い年になりますように」との願いが込められている。●藤岡弘、(俳優)「年始の挨拶としてだけでなく、その時代、時代に対して自分が感じたメッセージを年賀状で届けたい。こんな時代だからこそ、家族の愛や絆を表現できるようにと思っています」(藤岡)●石原良純(俳優・気象予報士)「1年間で一番印象に残った景色を翌年の年賀状にします。海外、鉄道、スポーツのシリーズに大別できますが、今年は日本の原風景。1月4日に雪の青森で見つけてしまった」(石原)。近年は、深夜のバラエティ番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で年末恒例「石原良純の来年の年賀状が決まった件」として紹介されている。●紫舟(書家・芸術家) 作品名は『我露豪放~虎図(わおうがおう~とらず)』。歓喜の雄叫びを上げる山獣の王。その雄姿の威風がそのまま書となり、風雲をも動かす勇猛を讃える。●梅沢富美男(俳優)「お正月なので新しい女形の写真を使うようにしており、これは71歳(現在)の女形。70過ぎて振り袖が似合うのは僕と黒柳徹子さんだけじゃないかと思っています」(梅沢)●彦摩呂(タレント) グルメレポーターらしい言葉が楽しい。「2021年も飲食店の方々がコロナで大変な苦労をされたので、2022年は応援する思いでいっぱい食べたいです!」(彦摩呂)●山咲トオル(漫画家・タレント)「私(52歳)も同級生も体の故障が出始め、心だけでも健やかにとの思いを込めました」(山咲)。立ち上がっていないトラの絵は「コロナ禍が続く中、慎重に」と伝えている。※週刊ポスト2022年1月1・7日号
2022.01.01 07:00
週刊ポスト
芸能生活60周年、傘寿を超えてもますます盛んな林家木久扇に密着
芸歴60年の林家木久扇 あらゆる意味で「壊す人」が壊してきたもの
「ちょっと、扇子出して」──。インタビューが始まるなり、事務所のスタッフにそう声をかけた。「扇子を持ってないと、しゃべるときにどうも調子がねぇ。もう、50年以上やっていますから」 林家木久扇。人気番組『笑点』で黄色い着物を着ている人。そう、「キクちゃん」だ。サラリーマンや漫画家を経て、23歳で落語家になり、83歳になった。目下、芸能生活60周年記念公演を全国10か所以上で開催中だ。「お調べになったらわかるけど、落語家は、ほとんど70代で死んじゃっていて、80代はそういないんです。ま、僕も百歳まではいかないと思うんですけど」 32歳のときから人気番組『笑点』に出演し続け、立川談志や桂歌丸ら5人の司会者を見送った。「談志さんは『笑点』を作り、落語家の地位を上げてくれました。歌丸さんは、最後、壮絶でしたねえ……。鼻に酸素チューブをつけながら高座に上がっていた。あの姿で怪談話をやられても、ご本人の方がよっぽど怖いんですから」 落語には「守る人」「壊す人」「創る人」の3タイプがいると言われるが、木久扇は、あらゆる意味で「壊す人」だった。 まず、落語。通常、真打になるには、100以上のネタを覚えなければならないと言われている。しかし、35歳で真打になったとき、木久扇は30も覚えていなかったという。「だって、聞いていておもしろくないんだもの。実際に周りにいる人たちの方が、はるかにおもしろかった。僕は実録が好きなんです。話芸はね、つまらなかったらいけないと思っているんですよ」 そうして出来上がったのが師匠の林家彦六らをおもしろおかしく語る『明るい選挙』や、片岡千恵蔵など歴代の名優たちが登場する『昭和芸能史』などのオリジナルの実録落語だ。いずれもモノマネ満載の木久扇ワールド。 先日、明治座で開催された60周年記念公演初日の夜の部では、人気漫才師ナイツが爆笑をかっさらった後に登場。『明るい選挙』を熱演し、その笑いをさらに超えてきた。木久扇にしかできない至高の芸だ。 もう一つ、壊したものがある。それは落語家の経済観念だ。好きな言葉が「入金」だと語るように、商売気を隠そうとしない。一時期は「落語よりラーメン屋の方がおもしろい」と『木久蔵ラーメン』店の経営に夢中になり、全国に27店舗を持つまでになった。「うちの師匠は大成しても家賃1万円の長屋に住んでいた。芸人の世界は、清貧をよしとする文化がある。でもね、貧乏って人間の体によくないと思うんです」 60周年記念公演の締めのひと言が振るっていた。「65周年は、もうすぐそこです。私、また儲けたいと思います」 あっぱれ、である。【プロフィール】林家木久扇(はやしや・きくおう)/1937年、東京・日本橋生まれ。1960年に3代目桂三木助に入門。翌年、8代目林家正蔵門下に移り、林家木久蔵となる。1973年に真打に昇進し、2007年に木久扇を襲名。『笑点』(日本テレビ系)には1969年からレギュラー出演。放送55年目を迎える人気番組を、現役最年長メンバーとして牽引してきた。3月16~17日に東京・明治座で「芸能生活60周年記念公演」を行なった。取材・文/中村計、撮影/惠原祐二※週刊ポスト2021年4月9日号
2021.04.04 11:00
週刊ポスト
浅草唯一の落語定席「浅草演芸ホール」
浅草の笑いの殿堂 落語定席やいろもの演芸場で初笑いを
 笑う門には福来たる。新年の笑い初めは、1964年東京オリンピックの年に誕生した浅草演芸ホールを始めとした笑いの殿堂で始めてはいかがだろうか。●浅草演芸ホール・東京都台東区浅草1-43-12 東京オリンピックの年に開館し、1年365日、休むことなく落語の公演を行なう浅草唯一の落語定席。原則入れ替えがなく、好きな時間に入館し、心ゆくまで話芸を楽しめる。1月10日までの正月興行「初席」は、柳家小三治、林家木久扇、春風亭小朝、柳家さん喬、柳家花緑など豪華なラインナップ。【初席1月10日まで】開演9時~21時、大人3500円 ※全席自由席※公演スケジュールは公式HP参照●東洋館・東京都台東区浅草1-43-12 4F ビートたけしの故郷とも呼ばれる「浅草フランス座」に歴史を遡る演芸場。漫才、漫談、コント、マジック、紙切り、曲芸、ものまねなど「いろもの」が1日中演じられる。原則入れ替えなくいつでも入館可能。1月5日までは落語協会顔見世興行で柳家喬太郎などが出演、6日からは「いろもの」をたっぷり。【初席1月5日まで】開演9時半~18時、大人3500円【1月6日~10日】開演11時半~17時、大人3000円【1月11日~19日】開演12時?16時半、3000円※全席自由席※公演スケジュールは公式HP参照※20日以降は大人2500円取材・文■上田千春※週刊ポスト2020年1月17・24日号
2020.01.14 16:00
週刊ポスト
『笑点』の格安ギャラ事情 昇太は司会昇進でも据え置き?
『笑点』の格安ギャラ事情 昇太は司会昇進でも据え置き?
 平均視聴率18.8%を記録した6月11日放送の『笑点』(日本テレビ系)。前週から2.4%の大幅アップだが、その要因は「大喜利」コーナーでの衝撃的な大暴露があったからかもしれない。 童謡『かえるの合唱』の「かえるのうたがきこえてくるよ」の歌詞を替え歌して、司会の春風亭昇太(57)の「どうしたの?」という質問に一言、というお題。メンバー最古参・林家木久扇(79)が突然、『笑点』の「タブー」に踏み込んだのだ。木久扇「アップアップときこえてくるよ~」昇太「どうしたの?」木久扇「笑点メンバーがね、ギャラアップ、ギャラアップって。ずっと上がってないのよね」 会場が大爆笑に包まれると、三遊亭円楽(67)もいつになく神妙な面持ちで「50周年でもね」と合いの手を入れた。木久扇「ねぇ、50周年でも上がらないんだもん。嫌んなっちゃうよ! それで面白くしろ、面白くしろって。だから、労働組合作ろうよ!」 再び円楽が「書記長! 書記長よろしく!」と木久扇を煽るとメンバーたちは拍手喝采した。◆司会でもギャラは“据え置き” 僧侶までが残業代の未払いを求めて労働組合に駆け込む時代である。とはいえ笑点メンバーたちが待遇改善を求めて立ち上がるとは……。『笑点』のギャラの実情はどうなっているのか。「『笑点』は高視聴率番組ながらも民放きっての“低コスト番組”として知られています。バラエティ番組の大物司会者なら1回200万~300万円。ですが、『笑点』メンバーは木久扇師匠や円楽師匠ら大御所メンバーでも40万前後だそうです。座布団運びの山田隆夫さんは10万円前後と聞いている。長い間変わっていません」(日テレ関係者) 落語会を開けば、「満員札止め」の大御所たちが驚くほどの“低賃金”なのだ。そう聞くと「労働組合結成」話もあながち冗談とは片付けられなくなってくる。昇太は司会就任直前、本誌の取材に対して、「(桂)歌丸師匠が抜けた分、メンバー全員のベアをお願いしたいぐらいです! 日テレさん、お願いします」 と語っていたほどだ。あれから約1年が経過したが、木久扇の証言通り「ベア」は行なわれていないのか。「カネ」のことは、本人に聞くのが一番と、再び昇太を直撃した。「またアポなしですか!? ポストさん」 と怒る昇太にギャラアップについて話を向けると、「ギャラ(の額)なんて言うわけないじゃないですか! も~う、いい加減にしてくださいよ」 とダンマリ。普段は怒りながらも饒舌に答えてくれる昇太の“いけずな対応”に、これは知られたくない事情があるのではないかと勘繰ってしまう。前出・日テレ関係者が昇太のギャラについて、こう明かす。「昇太さんは司会に“昇進”してギャラが上がったと思われがちですが、ネタでも何でもなく、本当に“据え置き”なんです。『笑点』は落語界のしきたり同様、年功序列の世界。司会であっても、他の大先輩たちよりもギャラが上回ることはありえない。昇太さんは今でも1回25~30万円程度の“若手メンバー額”です」 長寿番組では、ギャラの“伝統”も健在なのだ。◆ベア要求でメンバーから外れたくない 取材を進めたところ実際に日テレにベースアップを要求したメンバーはひとりも確認できなかった。メンバーにはこんな損得勘定があるという。「『笑点』に出演すれば、全国的な知名度が上がるため、本業である落語の営業のギャラが桁違いになる。普通の真打ちの1回のギャラは10万~20万円が相場だが、大喜利メンバーなら50万~60万円にハネ上がる。 だから、下手に『笑点』のギャラのベアを要求して、スタッフから煙たがられ、メンバーから外されては困るんです。安いギャラでもメンバーであり続けて、他の仕事で稼ぐ方が儲かるんです」(落語関係者) どれほど儲けているか、その具体的な金額は定かではないが、昇太が『笑点』メンバー入り後に、居酒屋風のバースペースを兼ね備えた「座布団御殿」を新築したのは知られた話である。 ただし『笑点』の低待遇はギャラだけではない。「楽屋は大部屋で全員一緒、お弁当やおやつが出ないのも有名です。でも、いつも一緒にいるからこそ『チーム笑点』は固い絆で結ばれている。みんな、安いギャラでも“落語を大衆に広めたい”というモチベーションでつながっている。とはいえ、本気で一致団結して待遇改善を求めてきたら日テレは困るでしょうね。今回の木久扇師匠の“労働組合結成”発言はネタだと分かっていても、スタッフはヒヤヒヤだったかもしれませんよ(苦笑)」(前出・日テレ関係者)※週刊ポスト2017年6月30日号
2017.06.18 16:00
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笑点・林家三平がくらう公開処刑「0枚フィニッシュ」
笑点・林家三平がくらう公開処刑「0枚フィニッシュ」
 放送51年目を迎えた国民的長寿番組『笑点』(日本テレビ系)。昨年、新メンバーで再スタートしてからも絶好調は続いているが、今年に入って地上デジタル放送のメリットを十分に活かす画期的な「新システム」を導入した。だが、これが思わぬ波紋を広げている。 1月8日放送から『笑点』ではデータ放送をスタート。併せて「視聴者参加システム」が取り入れられた。 番組放送中にリモコンの「dボタン」を押すと、大喜利メンバーの名前と座布団の枚数が記された画面に切り替わる。視聴者はリモコンを操作することで、司会の春風亭昇太(57)のようにメンバーに座布団をあげたり、取ったりすることができるのだ。 ファンには堪らないサービスだが、これによって思わぬピンチを迎えているのが、昨年加入した新メンバーの林家三平(46)だ。 2月19日放送では、「プロレスの日」にちなんで、「レスラーになってアクションをしながら一言」というお題が出された。 これに手を挙げた三平は「おい! オレを倒してみろ!」と相手レスラー役の昇太を挑発。「何を!」と応える昇太に対して、三平は「オレが倒れてもな、すぐに美どりと、その後に香葉子が出てくるぞ!」というオチを披露。 だが、会場からは失笑が漏れた。昇太も「絶対戦いたくないわ、そんなの。もうおしまい! 笑点これまで!」と微妙な空気になった会場を半ば強引に締めたのだった。 説明不要かもしれないが、「美どり」と「香葉子」とは、姉・海老名美どり(64)と母・海老名香葉子(83)のこと。三平は笑点加入以来、「嫁ネタと海老名家ネタしかない」と揶揄されてきたが、それでも身内ネタの一点張り。しかし、この日も会場のウケはイマイチだった。 会場以上に悲惨な状況となったのは、視聴者参加システムの座布団の枚数だ。番組終了時、最も多くの座布団を獲得していたのは、林家たい平(52)で、「3万5357枚」。三遊亭円楽(65)や林家木久扇(79)ら他のメンバーも軒並み1万枚を超える中、三平のみが「223枚」。まさに“2ケタ違い”の大差となった。 だが、日テレ関係者は「この日はまだ良かった方ですよ」と声を潜める。「視聴者参加システムが導入されて以降、三平さんは最終結果『0枚』を数回叩き出しています。これは他のメンバーではありえないこと。番組の最後に三平さんがスベると一気に座布団を取り上げられてしまうんです。笑点ファンの間では『0枚フィニッシュ』という流行語まで生まれました」 この惨状にネット上では〈笑いを通り越していじめに見えるんだけど〉〈三平だけ、毎週悪意を感じるレベルの座布団の少なさだな〉と同情の声も聞こえ始めている。毎週のように“公開処刑”が行なわれているのである。※週刊ポスト2017年3月10日号
2017.03.05 07:00
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夏目三久「生放送の大号泣」で女優への転身加速か
 人気フリーアナ・夏目三久(32)の「号泣騒動」が波紋を広げている。それは2月5日放送の『真相報道 バンキシャ!』(日本テレビ系)でのことだった。この日は胃がんと喉頭がんを乗り越えた落語家・林家木久扇(79)がゲストとして生出演。「2回も(がんに)なったという人間があんな馬鹿なことをいっているよ。そっか、あんまり重く受け止めなくても、病は病なんだって、受け止めてくださる方がいたら、僕の仕事としては成功したと思っております」 闘病、病気との向き合い方、落語への思いなどを真摯に語りかける木久扇の姿に、司会を務める夏目は目頭を熱くしていく。最後はしゃくりあげる音が止まらないほどの大号泣だった。 感動のあまり、番組中に女子アナが涙を流すことは決して珍しいことではない。だが、夏目には「絶対に泣いてはいけない理由」があった。 半年前に遡る──。2016年10月21日、メインキャスターを務める『あさチャン!』(TBS系)で、夏目は同局の石井大裕アナ(31)に、キツ~いダメ出しをした。前日に放送されたプロ野球ドラフト特番『ドラフト緊急生特番! お母さんありがとう 夢を追う親子の壮絶人生ドキュメント』(TBS系)で、石井アナが取材対象者である選手より先に号泣してしまったからだ。「石井さん、誰よりも先に号泣していましたよね。あれはないでしょ! あれは(アナウンサーとして)一番やっちゃいけないことですよ!」 プロ意識の足りなさを指摘する夏目の剣幕に石井アナは「はい……気を付けます」と反省しきりだった。 こんな一悶着があっただけに、石井アナもここぞとばかりに“反撃”に転じた。石井アナは『バンキシャ!』放送翌日の『あさチャン!』で、「私、前、夏目さんに生放送中に涙を流すのはどうか、ということをいわれました。特に当事者の前で涙を流すのはどうかと。ねぇ、夏目さん。昨日の放送見てましたよ」 とチクリ。これには夏目も「いやぁ~、ゴメンなさい」とタジタジだった。しかし、この騒動で「夏目は株を上げた」と見るテレビ関係者は多いようだ。「いつもニコニコ笑っている表情しか見せなかった夏目さんが感情をむきだしにしたことは彼女の新たな可能性を感じさせた。このところ、女優への転身が噂されているが、あの表現力なら使ってみたいと思うドラマプロデューサーはいるはずです」(TBS社員) 泣き芸は女優活動の練習!?※週刊ポスト2017年2月27日号
2017.02.16 07:00
週刊ポスト
三遊亭小遊三「俺が司会になる日も遠くないんじゃないか?」
三遊亭小遊三「俺が司会になる日も遠くないんじゃないか?」
 日本テレビの看板長寿番組『笑点』はますます絶好調。放送開始50周年の昨年は司会交代に新メンバーの加入、ラブホ不倫騒動など、様々な話題をさらった。 さて、2017年は笑点メンバーにとってさらなる飛躍の年となりますかどうか。正月早々、本誌はおなじみの師匠たちにアポなしインタビューを敢行した。 本誌が2016年11月25日号で報じたように、リニューアル後の笑点は、メンバーが新司会の春風亭昇太(57)のいうことをまったく聞かない“学級崩壊”状態に陥り、大喜利コーナーは大混乱となった。 2016年7月31日の放送では、三遊亭円楽(66)と林家木久扇(79)が進行を無視して勝手にやりとりを始め、昇太が「やめなさい!」と注意しても、かまわず暴走。昇太が「全員の座布団を1枚ずつ持ってって!」と一喝しても、円楽たちは「ほーらよ!」と昇太に向かって座布団を投げつけた。あまりの事態に昇太は放心状態だった。 さらに番組の最後には、三遊亭小遊三(69)が昇太を押しのけ司会者席に座り、「また来週」と番組を締めてしまった。その小遊三に笑点の学級崩壊について聞いた。「あのときは会場が爆笑に包まれたよな。こりゃあ、俺が司会になる日も遠くないんじゃないか?」と不敵な笑み。「というのは冗談で、歌丸師匠のときはビシッと統治されていたけど、いまは昇太さんのお陰でみんなのびのびできている。やりすぎて崩壊してるときもあるけど、あれが面白いんだよ」 とフォローしたが、内心はあのドロボーのような眼差しで虎視眈々と司会を狙っていそうで怖い。 一方で、昇太の司会ぶりを「サイコー」と絶賛するのは、誰よりも昇太を困らせている日本一天真爛漫な後期高齢者、木久扇だ。「やりやすいね~。彼がイジってくれるおかげで、僕がテレビに映る機会が増えた。昇太さんはいいよ~」 結局、自分のコトしか考えていない“老害”!? たしかに昇太が司会になって、ますますボケキャラに磨きがかかり、最近ではギャグなのか本当にボケてるのかわからないほどだ(失礼!)。 座布団運びの山田隆夫(60)も、昇太の司会を大歓迎していた。「紹介の時にイジってくれて、僕を目立たせてくれるのはありがたいよ。お陰で子供ファンが増えて、街では『山田く~ん、がんばれ~』って声をかけてくれる。今、チビっ子たちの間では、“青はドラえもん、黄色はピカチュウ、赤は山田くん”ですよ」 こちらも昇太をホメているようで、自分のことしか考えていないような……。 そんないいたい放題のメンバーの思いを昇太本人にぶつけた。「ポストさん、またアポなしですか~、もうっ」といいながらも語り始めた昇太。すると出るわ、出るわの愚痴の数々。「う~ん。たしかに去年は学級崩壊状態で、メンバーをまとめることができませんでした。皆さん芸歴でも『笑点』でも大先輩だから、強くいえないんですよ。 特に木久扇師匠は歯止めがきかなくて、すぐにふざけたり、座布団追っかけてっちゃったりで、もう大変です。僕に威厳がないのがいけないのかな……」 本誌は、文句をいいつつも、毎回直撃に応えてくれる昇太サンを今年も応援しています!※週刊ポスト2017年1月27日号
2017.01.19 16:00
週刊ポスト
「笑点」で2017年を生きる(写真:アフロ)
笑点は笑いだけでなく「大人の教訓」を届けている
 伝統的お笑い番組の「笑点」には、大人の知恵が詰まっていた。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が、2017年に生きる活力を学ぶ。 * * * もし「笑点」(日本テレビ系)という番組がなかったら、日本は今よりも暗くギスギスした国になっていたことでしょう。毎週日曜日の夕方、明るくノンキな笑いを全国に振りまき続けて50年以上。2016年5月に春風亭昇太が6代目の司会者に就任してからも、メンバーが遠慮なく司会者をいじるなど、その面白さはさらにパワーアップしています。「笑点」が届けてくれるのは、笑いだけではありません。回答やメンバー同士のやり取りに笑わされながら、大人にとって大切な教訓を学び取ることができます。最近の「笑点」から、いくつか例をあげてみましょう。 11月27日放送の第2540話。「人はなぜ恋をするのか?」というお題に、恋とは縁が薄そうなメンバーが挑みます。「ほかにやることがないから」(三遊亭好楽)や「30年後が見えないから」(三遊亭圓楽)といった膝を打つ回答が続出する中、林家たい平は「そういう難しいことは、池上彰に聞いてください」と答えました。 私たちは日頃、つい何でもかんでも自分で抱え込んでしまいがち。よくわからないことに対して、わかったような顔をすることもしばしばあります。わからないことは「わからない」と白状する勇気を持ち、苦手なことはそれを得意とする人に任せましょう。それが余計なストレスをためずに、穏やかな気持ちで日々を過ごす必須条件です。 12月11日放送の第2542話。司会の春風亭昇太が「世の中、生きていると納得できないことってありますよね。腑に落ちない人になってください。私が『どうしたの?』と聞きますから、そこでひと言」とお題を出します。秀逸だったのが、三遊亭小遊三の「俺は福山雅治に似ているけど、福山雅治は俺に似てないんだよ」という回答。 主観と客観の違いを認識する大切さ、そして、主観と客観に違いがあるからこそ人生は楽しいということを教えてくれます。本人は自分を「デキるビジネスマン」だと思っていても、たいていの場合、はたから見るとそうでもありません。「部下に慕われている上司」しかり、「男を惑わす魔性の女」しかり。しかし、客観的には間違った認識だとしても、本人にとっては、そう思い込むことが励みになったり支えになったりします。大人が強く生きていく上で、客観性を無視した勘違いは大いに役に立ってくれると言えるでしょう。 12月18日放送の第2543話では、大喜利が始まる前の自己紹介で、三遊亭好楽が「さきほどトイレでディレクターに言われました。師匠、挨拶の答え、最後グズグズにならなようにしてください。あと、噛んだりしないでください。トチらないでください。……と、おホメの言葉をいただきました」と語りました。これも、物事は解釈次第でいくらでもプラスにとらえることができる、ということに気づかせてくれます。 クリスマスだった12月25日放送の第2544話では、子どもに「なんでサンタさん来なかったの?」と聞かれたときに、お母さんとしてどう答えるかというお題が出されました。素晴らしかったのが、林家木久扇の「優先順位としてはね、難民の子が先なのよ」という回答。この番組の重要なエッセンスである「いい話」の要素を満たしつつ、人生の真理、大人として忘れてはいけない心得を伝えてくれています。 人生にせよ世の中にせよ、何事にも「優先順位」は付きもの。やりたいことがたくさんあっても、優先順位をつけて取捨選択せざるを得ません。自分自身も、出世においては会社から優先順位を付けられているし、お互い様ではありますが人間関係もしかり。不本意なことがあっても、それは自分の選択や存在が否定されたわけではなく、ほかの何かや誰かのほうが優先順位が高かっただけだと考えれば、ショックを最小限に抑えられます。 ああ、なんてありがたい番組なのでしょうか。2017年も「笑点」を見てたくさん笑い、たくさんのことを学びたいもの。幸せなことに、年の初めの1月1日は日曜日。夕方4時から2時間スペシャルで「笑点 お正月だよ!大喜利祭り!」が放送されます。新年早々、あのホッとできる様式美を堪能して、楽しく実り多い大人な一年に向けての華麗なスタートを切りましょう。
2016.12.31 16:00
NEWSポストセブン
『笑点』「パッとしない」とネタにされる林家三平の課題
『笑点』「パッとしない」とネタにされる林家三平の課題
 今年5月に、『笑点』(日本テレビ系)の新メンバーに抜擢された林家三平(45才)。起用後の番組は、6代目司会者になった春風亭昇太とともに話題を集め、視聴率もぐんぐん上昇した。しかし、肝心の三平の大喜利での回答はというと、「ハラハラして見ていられない」「ほかのメンバーと比べると物足りない」など、『笑点』ファンからは厳しい声も多い。出演から約半年、見えてきた三平の課題とは? これまで、『笑点』の現場取材を重ねてきたコラムニストのペリー荻野さんが鋭く指摘する。 * * *「妻女優 夫はパッとしない三平だ」 林家たい平の答えに会場が沸いて拍手が起こる。「拍手しなくていいんです!!」 汗をかく林家三平の横で司会の春風亭昇太まで「そうだなーと思って」とちょいちょいと拍手して、またまた会場大ウケ。先日の『笑点』大喜利の一場面だ。  生放送で28.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と高視聴率を引っ提げて、林家三平が『笑点』新メンバーになって半年余り。「パッとしない」などと言われる三平に、笑いながらハラハラしている視聴者も多いらしい。なぜ、身内でもないのにハラハラするのか?  それはやっぱり『笑点』大喜利では安心して笑いたいという気持ちが働くからだろう。三遊亭小遊三が自分を福山雅治と言いだしても、三遊亭好楽が「仕事がない」とぼやいても、林家木久扇が「いやーん、ばかーん」の歌や卵売りの歌でしっちゃかめっちゃかになっても、たい平がふなっしーのモノマネでひっくり返っても、三遊亭円楽が「歌丸師匠とは天国で…」とブラックネタを出しても、みんな視聴者の想定内。落ち着いて笑っていられるのである。 しかし、三平がどんな答えを言うのか。まだ視聴者には想定できない。さらに初登場の放送後、「とにかくかまないで手を上げられてほっとした」と語った三平には、まだまだ回答のたびに緊張や固さが感じられる。そのあたりも先輩たちにすかさず突っ込まれることがしばしば。これもハラハラの要因だろう。 11月27日放送の『大喜利』では、木久扇が「三平の答えがつまんなかったら、私が責任を負います」と言いだした。こんな発言が飛び出すのも『笑点』始まって以来だろう。 しかし、考えてみれば、それも無理はないのである。『笑点』は今年50周年の超ご長寿番組。現在のメンバーは、1969年に林家木久蔵(現・木久扇)、1983年に三遊亭楽太郎(現・円楽)、林家九蔵(現・三遊亭好楽)、1988年に三遊亭小遊三、2006年に病気療養中の林家こん平の代打だった、たい平と『BS笑点』の総合司会だった昇太が加わっている。三平とは場数が違うのだ。 おそらく三平の一番の問題は、まだキャラが固まらず、揺れているということだろう。小遊三からは「御曹司」、好楽からは「息子の飲み友達」、円楽は「落語界のサラブレッド」、座布団運びの山田隆夫からも「お父さんの先代三平さんには子役時代にお世話になりました。二代目を応援したい」と家族のように受け入れられた三平は、みんなの「弟分」のような印象だった。 れが独身昇太の天敵「幸せ夫」キャラ、続いて先日の長男誕生で「新米パパ」キャラになった。キャラはイコール、突っ込みポイント。これさえ固まれば一点突破でブレイクできるのだが。『笑点』では、三平の長男の名前候補を募集。どんな名前に決まるのか? 「笑点流」でダジャレもあり? 私にはこれが種まきに見える。この子がりっぱに成長した頃、きっとキャラも固まり、ハラハラせず見られると思う…って、いつのまにか、身内みたいになってるよ!!
2016.11.30 07:00
NEWSポストセブン
笑点が「学級崩壊」 昇太「師匠らが言うこと聞かない」
笑点が「学級崩壊」 昇太「師匠らが言うこと聞かない」
 国民的長寿番組『笑点』(日本テレビ系)。「マンネリの極致」と揶揄されながらも常に高視聴率を叩きだしてきた同番組が、51年目にして異常事態に直面している。それは、テレビで見てもハッキリわかる。海千山千のベテラン回答者たちが、5月から桂歌丸(80)に代わり新司会に就任した春風亭昇太(56)の言うことをゼンゼン聞いていないのである──。 7月31日放送の「大喜利」コーナーで、その事件は起こった。三遊亭円楽(66)と、林家木久扇(79)が、それまでの番組進行を無視して勝手に漫談のようなやりとりを始めたのだ。「やめなさい! 歌丸師匠が司会を辞めてから、無駄話が多すぎるよ!」 そうストップをかけようとする司会の昇太。しかし2人の暴走は止まる気配もない。そんな様子を見て、三遊亭小遊三(69)が漏らした一言が振るっていた。「コレを学級崩壊という!」 会場は大爆笑。コントロールが利かなくなった場を制しようと、昇太が一喝。「全員の(座布団を)1枚ずつ持ってって!」 しかしこれが“問題児”たちのイタズラ心に火を付けた。円楽以下、全員が「ほーらよ!」と昇太に向かって座布団を投げつけたのだ。観客の爆笑はさらに大きくなったが、当の昇太は放心状態だった。 最近も“学級崩壊”は繰り返された。11月6日の放送では、「100円ショップで売っている変なもの」というお題に対し、円楽が「三遊亭好楽(70)の独演会チケット」とぶちあげた。会場は大ウケだが、昇太から座布団は出ず。好楽に気を遣ってのことだったが、円楽は口をとがらせて昇太に「バ~カ」と大暴言。また会場は沸きに沸いた。 回答者だけじゃない。7月17日の放送では、林家たい平(51)にイジられた山田(隆夫・60)くんが司会の昇太そっちのけでたい平を突き飛ばし、座布団を取り上げる暴走に出た。もはや司会の威厳も何もあったもんじゃない状態なのだ。 当事者の昇太は何を思うのか。“学級崩壊”に歯ぎしりしているのか、それとも巧みな計算か。 本誌の直撃に対し昇太は「ポストさん、またアポなしですか~、あなた方だけですよ、そんな人たちは、モウッ!」と言いながらも答えてくれた。「そうなんですよ~。歌丸師匠の時は皆さん、けっこう司会の言うことを聞いてたのに、僕になったら聞かなくなったんです。 でも、そういう変化って、僕自身も楽しんでいるんです。皆さんが投げかけてくる言葉に、その都度対応しているだけなんです。僕に代わってメンバーのイジリ方が過激になってる? やっぱり笑いって、チビとか仕事がないとか親の七光りとか、そういうマイナス要素がないと笑えないんですよ。(林家)三平君は、美人と結婚してお子さんもできたし、幸せだけど、それが笑いに繋がるかというとそういうわけじゃないからね。彼には“親の七光り”のほうがいいわけですよ。やっぱり彼、オイシイなァ!」 学級崩壊は、キャラ立ちした演者がいてこその“芸”ということらしい。日曜の夕方が、また楽しみになってきた。※週刊ポスト2016年11月25日号
2016.11.13 16:00
週刊ポスト

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