中国では主に10代から20代の若い女性が自らのヌード画像を担保にしてインターネット上の金融業者から借金する「裸ローン」が大きな社会問題になっている。借金を返せず、担保のヌード画像や動画がネット上に拡散したり、さらには借金返済のため、悪質業者によって売春を強要されるなど、若い女性が餌食になっている実態がある。
中国ではネットを通じて個人間のお金の貸し借りを仲介するP2P金融が急成長しているが、行政や警察当局による規制が追い付いていない現状が浮き彫りになっている。
北京紙「京華時報」によると、裸ローンの特徴は、借り手側は実名、貸し手側は匿名で、金額や金利などはユーザー間で決めることができる。その金利は週30%という異常なほどの高さに設定されるものもあるという。
中国にはネット金融が発達しており、すでに2000社ほどが営業を行っているとされるが、その8割ほどが裸ローンなどの法外な金利を設定した違法な業務に従事しているという。
また、ヌード写真を担保にして借金をしている若い女性の登録者の実数は不明だが、流出したヌード画像などから大半が10代から20代前半の若い女性たちだ。登録された写真などから1万人は下らないのではないかとみられる。
ある業者は同紙の取材に対して、「われわれは単にネット上で、貸し手と借り手に場を提供しているだけで、双方のやり取りの内容には立ち入っていない。仮に、違法と思われる状況の場合、警察への通報を呼びかけている」と答えている。
とはいえ、警察に届け出る女性は極めてまれで、借金している弱みもあり、ほとんどが貸し手側の言いなりになってことが多いとみられる。
報道によると、裸ローンに手を出す女性は貧しい地方出身者が多く、軽い気持ちでカネを借りたものの、借金が返せず、流出した写真から大学退学に追い込まれたケースも多いという。
しかし、一般的には返済能力がない若い女性が裸ローンに手を出した場合、どういう結果になるかは自明ともいえる。そうした状況であるためメディアや一般市民の反応も冷ややかで、泣き寝入りしているケースも多く、それが行政機関や警察当局の摘発を遅らせる結果につながっているという。