投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の1月16日~1月20日の動きを振り返りつつ、1月23日~1月27日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。トランプ次期米大統領の就任式を控え、様子見ムードの強い展開となった。また、英国メイ首相の演説についても警戒感からポジションを圧縮する流れに向かわせており、日経平均は節目の19000円を割り込むと、昨年末の大納会の水準を下回り、大発会での好スタート分を帳消しにした。
ただし、その後メイ首相による英国のEU離脱条件に関するEUとの交渉に関する演説は通過し、「ハードブレグジット」への警戒は一先ず後退。トランプ大統領の就任式を控えての不安定な状況も、次第に通過後を意識した押し目買い等の動きに向かう格好となるなか、日経平均は19000円処での底堅さは意識されていた。
ドナルド・トランプ氏が第45代米大統領に就任。市場はトランプ政権の政策を見極めたいとする模様眺めムードが強まっていたが、市場が警戒しているのは就任式での発言というよりは、デモ隊等による混乱を警戒していた面はある。そのため、無事にイベントが通過してくるようだと、アク抜けといった格好に向かわせ、改めてトランプ政権への期待感から物色意欲が強まる可能性はある。
また、米国市場は足下でNYダウが5日続落となるものの、決算シーズンのなか、これまでの決算は予想を上回る内容が目立つ。また、経済指標についても好感されるべき内容であることから、イベント通過後の動向が注目される。その他、中国は春節(旧正月)に入るため、インバウンド関連への見直しへの期待も出てきそうである。
その他、国内でも決算発表が本格化する。為替相場は不安定な状況にもあろうが、トランプ政権の自国第一主義によって、基本的には円安傾向に向かうと考えられるため、決算評価の流れが意識されてくる可能性がありそうだ。トランプ氏就任では、およそ100の団体が抗議活動を行う計画など、過去の就任式とは様子が大きく異なる式典となりそうである。それ故に世界中の関心が集まるこの一大イベントは、マーケットの転換点にもなりそうだ。