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歌と笑いを融合した『FNS鬼レンチャン歌謡祭』 「悪ふざけ」「無礼で炎上」の前評判を覆し、年に一度の祭典となった理由 

『千鳥の鬼レンチャン』と『FNS歌謡祭』がコラボした大型特番が放送される(公式HPより)

『千鳥の鬼レンチャン』と『FNS歌謡祭』がコラボした大型特番が放送される(公式HPより)

 放送前の不安視する声を吹き飛ばし、人気の特番となっているのが『FNS鬼レンチャン歌謡祭』(フジテレビ系)だ。「悪ふざけ」というネガティブな声を覆し、多くの視聴者の支持を集めているのはなぜか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 

* * * 

 9月下旬から10月上旬にかけて各局がさまざまな改編期特番を放送していますが、なかでも異彩を放っているのが、5日放送の『FNS鬼レンチャン歌謡祭』(フジテレビ系、19時~21時50分)。 

『FNS鬼レンチャン歌謡祭』は日曜ゴールデンタイムでトップクラスの人気を誇る『千鳥の鬼レンチャン』と、フジ伝統の音楽特番『FNS歌謡祭』がコラボした大型特番。「鬼レンチャンファミリーと豪華アーティストが、千鳥・大悟さんのプロデュースと『FNS歌謡祭』のスタッフによる演出でパフォーマンスする」というコンセプトで、今回は2023年7月、2024年5月に続く第3弾として放送されます。 

 放送前は「悪ふざけでウケないのでは?」「無礼で炎上しそう」などと不安視する声もありましたが、評判は上々。今回も放送決定が発表されてからネット上には「楽しみ」「最高」「見るしかない」などのポジティブな声が放送前日までつぶやかれ続けていました。『FNS鬼レンチャン歌謡祭』はどのように前評判を覆して、年に一度の祭典となったのでしょうか。 

ヒエラルキーを超えた個人の尊重 

 一昨年の第1回は『FNS27時間テレビ』内の大型コーナーとして放送され、昨年の第2回で水曜のゴールデンタイム進出。しかし当時の放送前は業界内で「コラボすることで「『鬼レンチャン』の視聴者も、『FNS歌謡祭』の視聴者も集められないという引き算になるのではないか」などと危惧する声があがっていました。 

 ところがはじまってみたら放送中からSNSはコメントで大盛り上がり。『鬼レンチャン』の「サビだけカラオケ」出演メンバーが総出演し、ゲスト出演するアーティストと一夜限りのコラボを披露するレアな機会として好意的に受け止められました。 

 なかでもポイントは『FNS歌謡祭』のスタッフによる本気の演出。ほいけんたさん、たむたむさん、Mr.シャチホコさん、ハリウリサさんら『鬼レンチャン』の出演芸人たちはそれに本気で応えるべく熱唱し、ササキオサムさん、徳永ゆうきさん、木山裕策さん(スティーブ・魚ズ)、島谷ひとみさん、STU・池田裕楽(池ちゃん)らプロのアーティストも『鬼レンチャン』の時とは異なる姿を見せて盛り上げています。 

 さらに、日ごろ『鬼レンチャン』に出演しないアーティストがむしろ笑いに積極的な姿を見せることで特番らしい特別感をプラス。時折、千鳥やかまいたちから「ただの忘年会」「結婚式の出し物みたい」などとツッコミを入れられる笑い寄りのパフォーマンスやハプニングを交えて笑いを誘っています。 

『鬼レンチャン』を見ていない人にはわからないネタも多いだけに不満の声も散見されますが、過去の放送では好意的な声がそれらを凌駕。「歌がうまいけどクスッと笑ってしまう」という歌と笑いが融合したオリジナリティの高さが好意的な声を集めているのでしょう。 

 また、前回放送のラストでは、まさかのキャスティングでシュールな感動をプラス。鬼越トマホーク・欽ちゃんの父親でプロ歌手の男性が登場し、千鳥・大悟さんから「信じられん。ゴールデンのトリがみんな初めて聞く曲」というツッコミが入る中、持ち歌を歌い上げて「生きててよかった」と語る姿で感動を誘いました。 

 音楽界のトップアーティストではなくてもこれだけの実力があり、だからそれを振り幅にして笑いを生み出すこともできる。芸人としての評価はトップクラスではなくても、歌と言う才能を持ち合わせている。『FNS鬼レンチャン歌謡祭』を見ていると、そんな“エンタメ界のヒエラルキーを超えた個人の尊重”という裏テーマのようなものを感じさせられます。 

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