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2017.01.23 16:00  SAPIO

ジャーナリスト・東谷暁が選ぶ「憲法を考える本」4冊

「『九条』の一項、二項を徹底的に解釈」
『九条を読もう!』/長谷川三千子著/2015年/幻冬舎新書

 この新書は、まず、その薄さに驚かされる。100ページないのだ。また、テーマが九条と聞いて耳タコだと思う人もいるだろう。しかし、この本は面白い! 間違いなく筆者の哲学者としての力量を感じさせる。九条の一項と二項を徹底的に解釈することで、制定当時の政治力学を浮かび上がらせ、問題の重大性に新鮮な光を当てている。

「憲法制定経緯の闇を解明する情熱の書」
『一九四六年憲法──その拘束』/江藤淳著/2015年(底本は1980年)/文春学藝ライブラリー

 いまや、日本国憲法の制定は占領下における米軍の国際法違反だったと論じる人は少なくないが、江藤は自ら渡米して公文書を渉猟し、詳細にその歴史的事実を明かした。なぜ文芸評論家がそこまでやるのかと言われた。その後、多くの類書が出たが、文章から立ち上る憤りと歴史の闇を解明する情熱において凌駕するものは皆無である。

 【PROFILE】1953年山形県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。論壇誌『発言者』編集長などを歴任し、1997年よりフリーのジャーナリストに。『不毛な憲法論議』(朝日新書)、『予言者 梅棹忠夫』(文春新書)など著書多数。

※SAPIO2017年2月号

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