実は今、宮本さん自身も困難のなかにいる。昨年、健康診断でがんが見つかり、抗がん剤治療を行っているのだ。

「これからいろいろ好きなことをできるぞと思っていた時でしたから、まさかこういう病気になると思わなかったので、すごくショックでした。自分の人生には楽しいことや面白いことってもうないのかなって。

 だけど、この本を読んですっきりするところがありましたし、こうして出版社のかたから連絡までいただいて、人生には意外なことが起きるんだなって(笑い)。母を見送らなきゃって気持ちがあるので、もうちょっと頑張ろうと思います」

 首都圏に住む高柳千恵子さん(79才。仮名)は〈ストレスを溜めない、生き甲斐のある人生の有り様を学び、一皮むけた自分を感じた〉と読者はがきに綴った。安部さんは昨年、長年連れ添ったご主人(享年82)を亡くし、失意の中、本書に出会ったと話す。

「主人は長いこと患っていまして、ずっと自宅で私が見ていたんですが、最後はそれが叶わず、施設にお世話になりました。主人が亡くなった後は私、もう本当にもぬけの殻のような状態だったんです。でも、あの佐藤先生のご本を書店で見つけて、題名に惹かれて読んでみたんです。そうしたら、とにかく最初から最後まで楽しくて、主人が亡くなって一周忌も経っていないのに声が出るほど自分が笑えたことに、ビックリしました。とても力をもらいましたね」

 ご主人の一周忌を今月迎える。近々、子供たちが近くに引っ越して来て、孫たちとの行き来もできるようになると、高柳さんの声は明るい。

「主人のことを考えても、長生きはおめでたいっていう言葉ひとつで片づけられないものがあると思うんです。いろんな人生があって、人それぞれではありますが、佐藤先生のご本を読むと、やっぱり穏やかに過ごせることがいちばんめでたいことだと、とても納得できます」

※女性セブン2017年2月2日号

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