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外来が可能で採血量も少なく再発も少ない「PRP治療」

外来が可能で採血量も少なく再発も少ない「PRP治療」

 難治性皮膚潰瘍は、様々な原因が重なって起こる。静脈うっ滞や動脈硬化、糖尿病の合併症など全身状態が非常に悪いことも多く、治療が難しい。足の先端にまで血液が届かず潰瘍が形成され、さらにその場所に血栓ができ、骨の近くまで壊死した重篤な症例では、脚の切断しか治療法がないという例もある。

 聖マリアンナ医科大学形成外科の相原正記病院教授に話を聞いた。

「皮膚潰瘍の治療は、軽症であれば軟膏を塗布して様子を見ます。それから2001年に線維芽細胞増殖因子(FGF)を遺伝子組み換えで製品化した、フィブラストスプレーや陰圧閉鎖療法を用いて治療します。ただ、それらも効果がない場合は、健常の皮膚を取って潰瘍部分に移植するなどの手術を実施します。しかし、患者さんの全身状態が悪かったり、患者さんやご家族が希望しないこともあり、手術できないこともあります」

 そんな状況の中、難治性皮膚潰瘍に対する新たな治療法として実施されているのが、患者の血液から作った自家PRP(多血小板血漿)治療である。この施設でPRP治療の対象となるのは、フィブラストスプレーや陰圧閉鎖療法など従来の治療法では効果がなかった症例だ。

 患者から約60ミリリットルの血液を採取し、院内施設で遠心分離機を用いて濃縮したPRP(多血小板血漿)を作り、4回分に分けて1週間に1度、潰瘍部分に塗布する。PRPは5センチ平方メートルあたり、0.1~0.2ミリリットルの割合で塗布する。その上をハイドロジェルシートなどで覆う。これを1週間に1回の外来で行なう。

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