佐藤さんの演技がなぜ人々の注目を集め、ネットで盛り上がるのか? その理由は、「こんなヤツいるいる」と「いやいや、いないよ」の両論を生み出す役作り。しかも、同じオタク風のキャラクターでも必ずディテールを変えるなど、安易に前回の演技を踏襲しないので飽きられないのです。

 また、「延長なさる、なさらざる?」「おきゃ、おきゃ、おきゃくさ、オッキー、オッキーさん」「あまりなるほどと思っていないがなるほど」「激しく同意、あるいは御意」などの迷言も見どころの1つ。このように佐藤さんは多彩な仕掛けを用意し、それを長年続けていますが、「独りよがり」「エゴイスト」という印象を持たれないのは、「あくまで作品や共演者ありき」だから。ひょうひょうとした佇まいの裏には緻密な計算があり、だからこそコメディの質をワンランク上げられるのでしょう。

 佐藤さんと言えば、今作の脚本・演出を手がける福田雄一さんや、コメディの第一人者・堤幸彦さんの作品でのコミカルなイメージが強いものの、それは“俳優・佐藤二朗”のごく一部に過ぎません。

 その素顔は、二度の会社員生活を経ても、文学座などの養成所で挫折しても、役者の道をあきらめず、自ら劇団『ちからわざ』を旗揚げした熱さの持ち主。「ああいうコミカルな芝居ばかりになるのもよくない」と語る冷静さも兼ね備え、底知れない怖さ、時折見せる弱さ、背中に漂う哀しさなどを演じ分けられる俳優です。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
【無理にやらなくていい&やってはいけない家事・洗濯衣類編】ボタンつけ・すそあげはプロの方がコスパ良、洗濯物はすべてをたたむ必要なし
【無理にやらなくていい&やってはいけない家事・洗濯衣類編】ボタンつけ・すそあげはプロの方がコスパ良、洗濯物はすべてをたたむ必要なし
マネーポストWEB
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン