ライフ

女性に多い低温障害型感音難聴など突然起こる難聴4パターン

突発性の難聴は大きく分けて4つ

 難聴というと老化による病気と思われがちだが、突然、耳が聞こえなくなる突発性難聴が、幅広い年代に増えている。放置すると聴力が戻らないこともあるため、「早期発見・早期治療」が治療のカギとなる。突然起こる難聴は大きく分けると4つ。JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長の石井正則さんと、日本橋大河原クリニックの耳鼻咽喉科専門医・大河原大次さんに聞いた。

◆20~40代の女性に多い、ストレスからの『低温障害型感音難聴』

【症状】
 突発性難聴のように急に起こる感音難聴だが、低音域だけに障害が起こる。耳が詰まった感じや、ゴーという低い耳鳴り、めまいを感じることがある。

【原因】
 疲れやストレス、生活の乱れ、睡眠不足が原因といわれる。

【治療と予防】
 突発性難聴よりも聴力は戻りやすく、投薬治療が中心。一度治ってもストレスなどで再発しやすい。

「めまいを伴わないメニエール病・蝸牛型メニエールともいわれていますが、再発しやすいのが特徴。原因となるストレス因子を取り除き、自律神経を整えると予防につながります」(石井さん)

◆受診が遅れると聴力が戻りにくい『突発性難聴』

【症状】
 ある日突然、極端に片方の聴力が落ちる感音難聴。耳が詰まったような感じや、キーンという高い音の耳鳴り、めまいを伴うこともある。

【原因】
 血流障害説とウイルス説があるが、まだ原因が明らかになっていない。

【治療と予防】
 感音難聴の中でも治りにくい。受診のベスト期間は発症から2日以内だが、できれば1週間以内に投薬治療を。2週間を過ぎると聴力が戻らない可能性が高くなる。

「突発性難聴になっても、片耳が聞こえることが多いため様子を見がちですが、治療開始が遅れるほど回復が難しくなるため、すぐに受診を」(大河原さん)。

「心身を休めながら治療に専念する意味からも、入院治療が望ましいです」(石井さん)。

◆大きな音で有毛細胞がダメージを受けて発症『(急性)音響外傷』

【症状】
 大音量で音を聞いた直後、耳が痛くなり、音が聞きづらくなる感音難聴。耳が詰まった感じが続く。

【原因】
 音を脳に伝える際、蝸牛の中の有毛細胞を振動させ電気信号へと変換させるが、大きな音によってダメージを受けると有毛細胞が働かなくなり起こる。

【治療と予防】
 薬物治療が中心。大きく傷ついた有毛細胞は元に戻らないことが多い。

「ライブなどで大きな音を聞いた翌日に、音が聞こえづらいと感じたら、受診を」(石井さん)。

「大きな音を聞くとわかっている場合や、大きな音を聞いて耳が痛いと感じるときは、耳栓を軽くしておくとよいでしょう。また、飲酒しながら大音量でのカラオケを2時間以上続けると、音響外傷になることもあるので注意して」(大河原さん)。

◆意外と多い、耳あかが原因の『耳垢栓塞(じこうせんそく)』

【症状】
 名前の通り、耳あかが外耳道を塞いでしまい、聞こえにくくなる伝音難聴。

【治療と予防】
 耳鼻科で耳あかを除去すればOK。耳掃除は本来必要なし。掃除のしすぎが原因になる場合もあるので注意。

 自己流の耳掃除で、耳あかを奥へと押し込んでしまうことが多い。外耳道に少しでも隙間があれば音は聞こえるが、完全に塞がった瞬間聞こえなくなることがある。

 入浴後に水分で耳あかが膨らみ、外耳道を塞いでしまうことも。耳に水が入り、粘性の耳あかが鼓膜に張りついて聞こえなくなることも。

※女性セブン2017年2月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン