国内

後水尾天皇VS徳川家、孝明天皇VS井伊直弼の暗闘史

知られざる暗闘があった(写真:アフロ)

 朝鮮戦争を巡る確執から豊臣秀吉と対立し続けた御陽成天皇は、秀吉の死後もその影響力を嫌い、秀吉に近い良仁親王ではなく第2皇子である智仁親王への譲位を図った。ところが、この譲位は徳川家康に反対され、第3皇子の政仁親王(のちの後水尾天皇)に譲位することとなる。約300年続いた徳川幕府は、天皇とどのような関係を取り結んだのか。歴史家の八柏龍紀氏が解説する。

 * * *
 後水尾天皇が即位すると、幕府は本格的な朝廷統制に乗り出す。元和元年(1615年)、幕府は「禁中並公家諸法度(江戸幕府が天皇や公家を統制する法令)」を公布し、さらに京都所司代が完全に朝廷を監視するようになった。

 それとともに徳川家康は、天皇に徳川の娘を入内させ、徳川の血を朝廷に注入することを望んだ。

 そして家康の孫娘・和子(まさこ)の入内となったが、その準備の最中、後水尾天皇に仕える女官・四辻与津子(およつ御寮人)が皇子を出産したことが露見し、激怒した幕府は公家の責任を追及。この介入に憤慨した後水尾天皇が出家退位を仄めかすと、幕府はこれを許さず、公家衆を流罪に処して恫喝を加え、和子を入内させた。

 その後、「高僧に紫の衣を授けてはならない」という禁令を楯にした朝廷への圧力事件“紫衣事件”が起き、朝幕関係は再び緊迫化した。

 幕府に抵抗した高僧が流罪となるなか、後水尾天皇は徳川家の血を引く男子の皇位継承を阻み、女帝の明正天皇に譲位した。後水尾天皇は、自らの「押込め」をはかる幕府に対し、ギリギリの抵抗を見せたのだ。

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン