夫はフナの恩返しではないのか──そんな主婦のツイートがSNSで大爆笑を誘った。しかし奇跡的に出会った夫婦の愛情を再確認するのは大事なこと。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が指南する。
* * *
夫婦のつながりというのは、考えてみたらけっこう不思議です。別々に生まれ育った男女が、なぜ今の相手と出会って結婚したのか。そこにはきっと「運命」と呼べるような何かがあったに違いありません。
2月23日、ある主婦がツイッターに投稿した「夫婦の結びつきの不思議」を感じさせるエピソードが話題となり、たくさんの感動と笑いを巻き起こしました。投稿主は「マタタビ @matatabi_mm」さん。彼女は若いころ、大雨で近くの川が氾濫したときに、冠水した道路の水たまりに大量のフナが取り残されているのを見つけます。
このままではフナが死んでしまうと思った彼女は、バケツですくい上げて川に戻すということを何往復も繰り返しました。途中からは通りがかったおじさんも手伝ってくれて、おじさんは「あんたいつかフナが恩返しに来てくれるよ」と言ったとか。そのことが漠然と心に残っていた彼女ですが、ある日、驚きの事実を発見。こう綴っています。
〈最近ふと夫の誕生日が2月7日で「フナの日」であることに気づいて(あっ!!)と思い、夫に「あの時のフナなの?」と震えながら聞いている〉
聞かれた旦那さんも、さぞ驚いたでしょう。ツイッター上には「面白すぎるwww」といった称賛の声や「やめるんだ旦那さんが川に帰っちゃう!!!」と心配する声があふれます。「フナの日」に生まれた息子を持つ母親から「その節は」というお礼の声も。ちなみに旦那さんの答えは「あの日のフナではないよ」。川に帰ってしまわなくて何よりです。
旦那さんがあの日のフナだったかどうかはさておき、マタタビさんがフナを助けた過去を思い出したことで、きっと夫婦の絆は強まったことでしょう。「この人と夫婦になったのは運命だった」と思える要素を見つけることができたら、末永い夫婦円満は約束されたも同然です。
このツイートは、ほっこりした気持ちにさせてくれただけでなく、夫婦関係を改善する大人の秘策を授けてくれました。さっそく実践です。相手を「やっぱり運命の人だった」と確信すべく、お互いの誕生日に着目してみましょう。そこそこ円満な人はもっと仲良くなるために、けっこうギリギリの人は一発逆転を狙いつつ。