C氏:要するに、マスターが一人でやっているような小さな店で、なおかつお酒とたばこを嗜んでいる人が多いような業態は、国が許可基準にしようとしている喫煙室を設けることが難しいから、店内でのたばこもOKにしようとしているんだよね。報道では30平方メートル以下の店は例外にするとか議論が行われているらしい。
A氏:麻生大臣が「たばこが吸えないシガーバーには、もう行かない」と発言したように、店によっては喫煙規制は死活問題だからね。このままでは、たばこを規制するなら酒も規制しろっていう話も出かねないよね。
30平米っていったら約9坪でしょ? しかも、厚労省案は客席面積じゃなく厨房も入れた延床面積みたい。9坪となると、さっき話した僕の行きつけの焼鳥屋なんて、お店そのものを少し大きくしくらいの広さ。新宿のゴールデン街もそうだけど、そんな小さな店は日本中の全飲食店の1割か2割しかないだろうから、何のための例外なのかも分からない。
C氏:そう。神奈川の受動喫煙防止条例では、延床ではなく客席面積で100平方メートル以上の店に専用の喫煙室設置が義務付けられていることを考えると、国の案は相当厳しいといえるね。
Bさん:よくよく考えると、一律に“喫煙室の設置”というのもよく分からない。
私はたばこは吸わないし、吸おうとも思わないけれど、狭い喫煙所でたばこを吸っている人を見ると、少し気の毒になる。小学校の掃除用具入れのようなロッカー型の喫煙所が注目されているみたいだけど、あんな中で吸うほうもイヤだと思うな。
C氏:たしかに。地方に行けば、だだっ広い飲食店もあるから、そこにわざわざ喫煙室を設けるぐらいなら、分煙でもいいんじゃないかと思う。すべての屋内を全面禁煙にする案は、手っ取り早いのかもしれないけれど、そうなったら屋外の喫煙環境をもっと整えなければ、Aさんのようなスモーカーは完全に行き場を失っちゃう。
A氏:そういうCさんだって、電子たばこに変えたとはいえ、どこでも自由に吸える環境ではないでしょ。
C氏:そうなんですよ。最近、禁煙の店でも「電子たばこならOK」というところも出てきて少し嬉しいんだけど、路上の扱いも含めて普通の紙たばことの線引きが明確になっていないから、結局、喫煙可能な場所を探す生活に変わりない。
Bさん:スモーカーはみんな大変だね。