喫煙場所をめぐる議論がかまびすしい──。厚生労働省が近々、国会に提出すると見られている受動喫煙対策を目的とした新法案は、原則として飲食店などの建物内を「禁煙」とする罰則付きの強化策が盛り込まれる見込みだった。
ところが、与党・自民党内からも「厳しすぎる!」「禁煙ではなく分煙大国を目指すべき」といった反対意見が噴出。すんなりと法案が通るのかは微妙な情勢となっているなか、 「ヘビースモーカー」「他人が煙草を吸うのは勝手だが、煙が自分にかかるのは避けたい」「最近電子タバコに切り替えた」など、喫煙についてさまざまなスタンスをとる3人の雑誌記者が、今後望ましい“たばこ環境”について、大いに語り合った。
【座談会出席者】
●A氏(46)週刊誌記者/20代の頃から吸い続けるヘビースモーカー。「たばこを吸わなきゃ、いい原稿も書けない」
●Bさん(38)情報誌女性記者/基本的には嫌煙派。「仕事仲間の服についたたばこの臭いにも敏感に反応してしまう」
●C氏(40)経済誌の記者兼編集者/昨年、紙たばこから電子タバコに。「家族は喜んでいるが、“ホタル族”は変わらず……」
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A氏:新しい法案が通れば、飲食店やホテル、駅や空港ビルなど、とにかくいろんな場所の屋内で、基本的にたばこが吸えなくなるんだよね。これは僕のような愛煙家にとってはツラすぎる。
C氏:“日本は、受動喫煙対策で遅れをとっている”──というのが規制強化の大きな理由らしい。2020年には東京オリンピックも開かれるとあって、このままでは「世界の恥」だと厚労省もマジになってるようだ。
Bさん:海外では、レストランでも全面禁煙になっているところが多いらしいとか? ただそのかわり、オープンなテラス席ではOKっぽいイメージもあるけど、どうなのかな。
C氏:日本では、今は屋外も路上喫煙禁止を掲げているエリアが多いから、千代田区のように、「ちょっと外で吸ってくる」といって2000円の罰金(過料)を取られる可能性だってあるよね。そもそも、東京都内でテラス席があるような店を探すほうが難しい。
A氏:そうそう。店の中でも外でも吸えなくなったら、どこに行けばよいのやら……。僕の行きつけの焼鳥屋なんて、カウンターの焼き場は初めからモクモクだし、客の大半はたばこを吸っている。さすがに、なまものや刺し身が並べられる寿司屋のカウンターでは僕もたばこは控えるけど、焼鳥屋や焼肉屋みたいな店は許してほしいな~。
C氏:いま法案の調整が難航しているのも、そこらしい。居酒屋や焼鳥屋、おでん屋は店の規模によって例外を設けようとか、BARやキャバレーといった、食べ物メインではなくお酒を楽しむような店は喫煙可能にしようとか、いろいろな案が検討されているみたいだね。
Bさん:それって、店の種類の問題なのかな? BARの中にだってしっかり食事も出すようなダイニングバーだってあるし、居酒屋の中にはそもそも禁煙にしているお店もある。そうやって店の種類によって喫煙の可否を分けるのって、実際問題難しそう……。