◆山谷、稲田、中山との関係
──他の議員との関係はどうか。
「大学を卒業して、山谷えり子先生(第2次安倍内閣の拉致問題担当相)の事務所で半年ほどカバン持ちをしました。(落選中だった)山谷先生が自民党から参院選の比例代表に出馬する頃です。日本会議が初めて選挙で推薦したのが山谷先生でしたから、椛島有三・日本会議事務総長に連れられて、東京の事務所で紹介されたのがきっかけです。
私が事務所に出入りしていたのは半年で、次に東京で連合系の労働組合の職員になりました。父の名代で安倍先生にお会いしたのはその後、大阪に戻って事業を始めた頃です」
山谷事務所に佳茂氏がスタッフとして関わっていたのか確認すると「事実ではございません」と回答。双方の言い分は食い違っている。
──森友学園の園児が自衛隊員に手作りの品を贈ったことに対して、籠池理事長は稲田朋美・防衛相から感謝状を受けている。
「稲田先生が初めて政界に出馬されたときから、父は応援していました。それなのに、今になって稲田先生が感謝状取り消しも検討すると仰るなんて、ハシゴを外されたという思いはあります」
稲田事務所は、籠池理事長との関わりについて、「どういった機会に会ったかは定かではありませんが、面識はありました。が、とんでもないことをしつこく言ってくることなどがあり、無視をしていたら、稲田の私邸にFAXや電話を入れるようになったので、お付き合いは10年前に一切やめています」と回答した。
──中山成彬・元文科相は森友学園について、〈園児に教育勅語を斉唱させている幼稚園ということで視察したことがあるが、経営者自身が勅語の精神を理解していないようだ〉とツイッターで批判したが。
「中山成彬さんも講演にいらしたことがあり、その時には、参観して朝礼からみてもらって、どんな教育をしているのか、知っていたはず。応援してくれていた一人だと思っていました。それが、いまでは手のひら返しですから」
中山氏が語る。
「10年ほど前、1度だけ森友学園の幼稚園に視察に行った。園児がワーワー言っているので、何を言っているのか分からなかったんだけど、それが教育勅語だったと。講演した記憶はないが、理事長が、『自分は一生懸命に(こういう教育を)やっているんだけれど、ここは大阪だから、日教組の小学校に入ると、全然無駄になってしまうんだ』と、そういうことを仰っていたことは記憶しています」
いくら切り捨てようとも、過去の関係までは“なかったこと”にはできないということだ。
※週刊ポスト2017年3月17日号