東京1区も波乱含みだ。今年2月に行なわれた千代田区長選で自民党候補がトリプルスコアで大敗した後遺症で本来なら自民大苦戦の選挙区。一方、民進党候補(選挙区支部長)は落選中の海江田万里・元代表だが、衆院への鞍替えを表明している蓮舫代表の出馬説が根強い。
「その状況を象徴的な選挙区とみて小池氏がピンポイントで独自候補を立てれば、民進党は『代表落選』という事態があるかもしれない」(同前)
豊洲(江東区)が選挙区の東京15区の候補者はもちろん、東京の25選挙区すべてで候補者は豊洲移転に賛成か反対か、旗幟鮮明にせざるを得なくなる。
悩ましいのは公明党だろう。同党にとって都議選は「国政選挙以上に重要」とされ、全国から支持者が応援に入ることで知られる。過去6回の都議選は候補者全員を当選させた。
ところが、小池氏の都民ファーストの会が大量の候補者を立てた場合、「3議席減」という予測もある。公明党は都議会での自公連携の解消を表明して小池支持に回ったが、太田昭宏・元代表が出馬する東京12区をはじめ衆院選では自民党と選挙協力を組む。
「都議選では反自民、総選挙は親自民」というねじれた対応を迫られる公明党の支持者の混乱は必至だ。
小池氏と足並みを合わせて豊洲移転問題を追及している共産党も、「豊洲批判票」を都民ファーストの会に奪われて都議選も総選挙でも苦戦を免れそうにない。
小池旋風と解散風という2つの台風に飲み込まれ、東京には混沌と混乱が巻き起こる。
※週刊ポスト2017年3月17日号