国際情報

動画公開のキム・ハンソル氏 隠しきれない怒りと悲しみが?

YouTube上で動画を公開したキム・ハンソル氏

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、金正男氏の長男、キム・ハンソル氏の状況をYouTubeで公開された動画から分析。

 * * *
「北朝鮮の人々へ」と題された40秒の動画が、YouTubeにアップされた。そこに映っていたのは、キム・ハンソル氏を名乗る男。マレーシアで殺害されたキム・ジョンナム(金正男)氏の長男である。

 動画は脱北者の支援団体を名乗る「チョルリマ民間防衛」のホームページに掲載された。キム氏はこの団体に保護され、今は安全な場所にいるという。ホームページでは人道的な緊急支援に対し、オランダ、中国、アメリカと匿名の国の政府、そしてオランダのエンブレヒツ駐韓大使の名前をあげて感謝の意を示している。

 動画の男性については、韓国の情報機関、国家情報院がキム・ハンソル氏本人と断定した。そこで、命懸けとも思える40秒の動画から見えたキム氏の現在の心理状態について分析してみようと思う。

 カメラをまっすぐ見据えたキム氏はまず、自分の名前を名乗った。次に「北朝鮮生まれ」と言うまでに、ほんのわずかな間があり、声のトーンが低くなり、こもったように小さくなる。北朝鮮という国への複雑な思いがそこにあるのだろう。

 続けて「金一族の一員です」と言うが、彼がここで顔を上げることはなかった。手元のパスポートを提示しようとしたからかもしれない。だが、その一族の出身であることを誇りに思っていれば、普通ならここは顔を上げるところだ。自分の家系や血筋を否定したい気持ちや、一族に誇りを持てないという意識があるのでは…と思う。

「父が殺害された」と話す前、キム氏は自分の左側に顔を向け、視線をそちらに動かした。その視線は左前の一点で止まり、何かをとらえたように思える。続けて「私は母と妹と一緒にいる」と話す前も、左側に顔を向けた。この時も、視線の動きが左前の一点で止まり、誰かと目を合わせたかに思える。

 もし左前に誰かがいたとすれば、座っているキム氏の目線の高さから推測して、それほど背の高い人ではないだろう。「父が殺害」「母と妹」という言葉の時に、視線を向けた、しっかりと見たことから考えると、そこにいたのは母か妹の可能性があるのではないだろうか。

 だとすれば、この動画は家族の同意のもと、その意思が反映されたものかもしれない。

 動画の中では父親の殺害を「数日前」と語っている。一見すると、父親が数日前に殺害されたとは思えないほど、淡々とした表情で冷静に落ち着いて話している。だが、本当にそうだろうか?

 感情を隠す最善の方法は、顔の筋肉の動きを抑制すること。つまりできるだけ無表情で淡々と見えるようにすることである。

関連記事

トピックス

行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
SNSで「卒業」と離婚報告した、「第13回ベストマザー賞2021」政治部門を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗さん(時事通信フォト)
三浦瑠麗氏、離婚発表なのに「卒業」「友人に」を強調し「三浦姓」を選択したとわざわざ知らせた狙い
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン