東京・六本木ミッドタウンの富士フイルムフォトサロンで開催中の写真展「世界一美しい猫たち」(16日まで)には、連日ひっきりなしに見学者が訪れている。実に老若男女さまざまで、その「宝石」のような猫たちの美しさに息をのみ、「スマホでどうやったら、キレイに撮れるんですか?」「どうすれば、猫は目線をくれるんですか?」など質問する人も。
そもそも、この宝石のような猫たちの写真展と、同時刊行された写真集『世界一美しい猫たち ラパーマ』の企画のきっかけを作ったのは、東京・西小山で猫カフェ「CURL UP CAFE」を営む増田有美さんだ。
◆ラパーマは「みにくいあひるの子」。このままでは絶滅してしまう
増田さんがラパーマと初めて出会ったのは2007年のこと。お台場のペットショップで「ふわふわモフモフ」をたまたま見かけたのが運命の始まりだった。
ラパーマは1982年にアメリカで突然変異により生まれた猫種でまだ歴史が浅い。生まれつきくるくるとカールした豊かな被毛が特徴で、性格は穏やかかつ聡明。その佇まいには気品さえ感じさせる。キャットショーに挑戦し始めていた増田さんは、その美しさと可能性を見抜き、家族に迎え入れることにした。
やって来た雌猫はメイと名付けられ、翌年4頭の子猫を産む。ちょうどその頃、アメリカに本部を構える世界最大の愛猫協会・CFA(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATIION.INC)が、ラパーマを“キャットショーに出しても良い猫種”と認定した。増田さんはさっそく申請し、メイは日本のラパーマ第一号として登録されたのだ。
「ラパーマはたとえるなら『みにくいあひるの子』。産まれてすぐは毛が生えそろわず、あまりカワイイとは言えません。でも、生後2か月位までの猫しか流通しない日本のシステムでは、この美しい存在が知られない。冗談ではなく、日本のラパーマが絶滅してしまう、そんな危機感を抱きました」(増田さん)