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自分と家族を冷凍食品で育てた「冷食おばさん」の人生と夢

冷凍食品に人生を捧げて35年。山本純子さん

『第47回NHK上方漫才コンテスト』で優勝。『R-1グランプリ2017』でも決勝進出を果たしたゆりやんレトリィバァ(26才)が「今、輝いている芸人No.1」に選ばれた。これは日清食品冷凍株式会社の『日清もちっと生パスタ』が、冷凍生パスタ市場で初めて売り上げナンバーワンになったのを記念して、最も輝いている芸人を表彰するというもの。

「おいしい! これ、ほんまに冷凍ですか!? モチモチ…サプライズ!?」

 ゆりやんがそう感激したとおり、今、冷凍食品は、「安かろう、悪かろう」というかつてのイメージとはガラリと変わってきている。

 2016年は冷凍食品のプレミアム革命といわれ、素材や食感にこだわった本格志向の商品が台頭してきた。冷凍食品専門レストラン『ブレジュ』(東京・二子玉川)が注目され、フランス発の冷凍食品専門スーパー『ピカール』(東京・麻布十番ほか)の初上陸…などニュースも相次いだ。

 そんな冷凍食品業界で熱視線を集めている女性がいる。マツコ・デラックス(44才)から「悪い男とかじゃなく、まさに冷食に捧げたって感じね!」と仰天された過去もある山本純子さん(59才)だ。彼女は今や、『ノンストップ!』(フジテレビ系)、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)などの冷凍食品特集に欠かせない存在となっている。

「私にとって冷食は、夢とロマンの世界でした」

 首を傾げる周囲の反応を楽しむようにそう言って、にっこり笑う山本さんとは、いったいどんな女性なのか――

◆おふくろの味は冷凍食品のギョーザ

 山本さんが就職した1980年は男女雇用機会均等法施行の6年前。結婚したら仕事を辞めることが当然とされ、1年でも長く働ける短大生が重宝がられ、四大の法学部を出た山本さんは就職活動に苦労した。

「本が好きだったから、出版社を希望したけれど難しくて、オフィスコーヒーサービスの会社に就職したんです。1年が経った頃、転職したいと思っていた時に突然の電話。“根性ある女性記者を探してる”って剣道部の先輩が『冷凍食品新聞』に誘ってくれたんです。そこから34年間の冷食記者生活が始まりました。だけどその時は、別に冷食が好きだったわけでもなくて、ピザくらいしか食べたことがなかった(笑い)」

 最初は名刺1枚でさまざまな人に会える記者の仕事そのものに魅力を感じていたが、だんだんと、当時伸び盛りだった“冷食”という新しい食品へのロマンに取りつかれるようになる。

「黎明期から携わった業界人の話を聞く企画で、冷食の将来を信じ、“氷の天ぷらです。そのまま油に入れられるんです”って言って売り歩いていったという話を聞いたときに、なんて夢のある業界なんだろうって感動して…記事を書くと喜ばれるし、どんどん新しくて魅力的な冷食が開発されるし…気がついたら冷食の世界にどっぷりハマっていました」

 山本さんが結婚したのは、1985年。記者生活5年目のとき。相手は、兄の友人だった。

「当時は結婚・出産後も女性が働き続けることは珍しかったんですけどね。夫からは“ずっと仕事を続けなさい”となぜか命令口調で言われました(笑い)。共働きの方が将来安心と思ったのか、私の情熱を理解してくれていたのかはわからないけれど」

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